Culture
2021.10.18

運動会のかけ声「えい、えい、おう」漢字にすると?運動会のかけ声の意味を解説!

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最近は春に開催されることもあるようですが、秋といえば、運動会をイメージする人は多いでしょう。

小学生の頃、かけっこの得意なクラスメートが、ぶっちぎりの速さで、ゴールのテープを切った姿が思い出されます。短距離走が苦手な私は、羨望のまなざしで見ていたものです。

運動会、たしかに涼しい風とか赤トンボとかのイメージがあるなあ。

さて運動会では、皆で一斉に「えい、えい」「おう!」と声を出しますね! あまり考えずに使っていましたが、どんな意味があるのでしょう?

なんと、漢字があった!

ひらがなや、カタカナで書かれることがほとんどですが、漢字では「曳、曳」「応!」となります。何だかイメージが変わりますね。士気を鼓舞するために、大勢の人が一緒に叫ぶ、鬨(とき)の声なんだそうです。

そうだったんだ!「応」のほうはなんとなく分かるような気もするけれど、「曳、曳」の意味がまったく分からないです……。

「曳、曳」とは呼びかけの意味があり、「応」で応答しているのです。「鋭、鋭」という漢字を当てることもあったようで、こちらは「進め」の意味が込められています。

「えい、えい」には2つの意味があったんですね!

始まりは戦国時代?

一説には、戦国時代が始まりといわれています。あるいはもっと古く南北朝時代から、さらに遡って源平合戦からともいわれますが、はっきりとはわかりません。

戦場では最初に、大将が「えい、えい」とかけ声をし、軍勢一同が「おう!」と声を合わました。今から戦うぞ! と大将が攻勢のタイミングを示す合図だったのですね。

「えい、えい」と「おう!」は、もとは言う人が違ったのですね!

勝利した時のかけ声も、「えい、えい」「おう!」だったようです。同じく大将の発声の後に、家来が応じて発しました。戦場においては、指揮官である大将の指示によって、応じるのが通例でした。

現代のようにマイクがあるわけではなく、地声のみなので、皆が好き勝手に喋ったら、聞こえなくなりますよね。しーんと緊張感が漂っていたことでしょう。

太鼓は、必須アイテムだっだ!

「えい、えい」「おう!」のかけ声は、味方への合図や、士気を高めると共に敵を威圧する目的もあったようです。先陣が鬨の声をあげながら攻め込み、敵の兵士が動揺した隙に、後陣を向わせる戦術などに使われました。声を出すことも戦では重要だったのですね。

声で相手を威圧!命がかかっているし、腹の底からのものすごい声だったんだろうなあ。

気分を高揚させるために、太鼓も使われました。攻勢に出る時や、乱戦の最中などに、激しく太鼓を打ち鳴らしたんだそうです。1人が背中に担ぎ、ペアの1人が太鼓を叩きました。また大きい太鼓は棒にぶら下げて、2人がかりで運びました。持ち運びには苦労したでしょうが、戦に欠かせない道具だったのでしょう。

神社やお寺でも太鼓を叩くのを聞きますが、あの音を聞くと力が湧いてくるような気がします!

考えたら、運動会でも太鼓は必ず登場しますね! 知らずにこうして伝統が受け継がれているのかもしれません。

参考文献:『戦国 戦の作法』小和田哲男監修 株式会社G.B.発行 『デジタル大辞泉』小学館発行

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▼参考文献はこちら
戦国 戦の作法

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幼い頃より舞台芸術に親しみながら育つ。一時勘違いして舞台女優を目指すが、挫折。育児雑誌や外国人向け雑誌、古民家保存雑誌などに参加。能、狂言、文楽、歌舞伎、上方落語をこよなく愛す。ずっと浮世離れしていると言われ続けていて、多分一生直らないと諦めている。

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人生の総ては必然と信じる不動明王ファン。経歴に節操がなさすぎて不思議がられることがよくあるが、一期は夢よ、ただ狂へ。熱しやすく冷めにくく、息切れするよ、と周囲が呆れるような劫火の情熱を平気で10年単位で保てる高性能魔法瓶。日本刀剣は永遠の恋人。愛ハムスターに日々齧られるのが本業。