最近、常にものすごく眠いです。東照宮の眠り猫がうらやましいです。寝ていると喜ばれるとか、うらやまけしからん。
それにしても、「うたた寝」と「居眠り」って、何がどう違うのか気になりませんか? 私は気になります!
というわけで、辞書で調べてみました。
「うたた寝」とは?
うたた寝は、漢字では「転寝」と書きます。
転がってる? トドやアザラシみたいに転がって寝ている、ということは、一応、横になってはいる?
辞書を引いてみると、
・寝ようとする意思はないままに、うとうとと眠ること
・寝床に入らないまま、知らず知らずのうちに眠ること
とあります。
語源説は、以下の通り。
(1)ウツツネ(現寝)の転〔大言海〕。
(2)ヰルタタネの反〔名語記〕。『日本国語大辞典』
「転(うたた)」も、「横になっている」以外の意味がいくつか掲載されており、もしかしたら、ごろ~んと横になっているから、ではないのかも。
さらに『日本国語大辞典』には、こんな記載が。
中古では、多く恋の物思いのためにするものとされた。
あらマァ、ろまんちっく。
「居眠り」とは?
では居眠りとは?
座ったまま寝てしまうこと。
あれだ、授業中によく見かけるあれですね。仕事中にやったらものすごく𠮟られるやつですね……。
「居」という漢字には、「いること」「座っていること」という意味があり、居眠りの「居」は座っている状態のこと。
つまり、座った姿勢のままで寝落ちてしまうのが「居」眠りなのですね。
仮寝・仮眠
ちなみに、うたた寝の辞書項目で、「仮寝(かりね)のこと」と書いてあるものがいくつかありました。仮寝って何ですのん?
仮寝とは、
仮に寝ること。寝支度をせずにそのまま少し眠ること。一時的に短時間眠ること。
仮眠と同じだそうです。
ただ、「うたた寝」や「居眠り」が意図していないものであるのに対して、「仮寝」と「仮眠」は眠ろうとして寝ている点が異なる、という記述も見られました。
昼寝
ついでに昼寝も調べてみました。
昼間に眠ること。午睡(ごすい)。
まあ、そのまんまですね。
ただ、気になる記述がところどころ。
成人では夜間における睡眠が通常であるため、ここでは乳幼児について述べる『日本大百科全書(ニッポニカ)』
が~ん。
いやでも、こんなのもあった。
・かつて日本の農村では,夏の間,昼食後に仮眠をとる風習があった~中略~なお,俳句では朝寝は春の季題,昼寝は夏の季題とされている。
・昼寝をした場合には,しなかった場合に比べて音,言葉に対する反応力がよくなっており,さらに睡眠不足を補う意味で不眠症の予防にもなり,昼寝のできる条件があればするとよい。『世界大百科事典』平凡社
これはこれは(にんまり)。
では編集長、ちょっとお昼寝してきますね~!
参考文献:
・『小学館 全文全訳古語辞典』小学館
・『日本国語大辞典』小学館
・『デジタル大辞泉』小学館
・大野晋、浜西正人『角川類語新辞典』角川書店
・『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館
・『世界大百科事典』平凡社
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