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〝たぬきうどん〟の景色にさえ茶味に満ちて
ごらんください、この丼の中の渋色(しぶいろ)の世界。「ああ、侘び寂び(わびさび)。これぞ茶味…」と心の中で思わずつぶやきたくなるのが、京都の〝たぬきうどん〞です。
甘く煮た油揚げにあんをかけて生姜(しょうが)を載せ、華美な演出は何ひとつありません。しかし、ひと口いただけば、ひとつひとつの素材が選びぬかれ、心を込めて丁寧につくられているのがわかります。シンプルな世界に、豊かさが広がるのはまさに茶の心と同じです。
このような茶味なる〝たぬきうどん〟に出合えるのは、北野天満宮のほど近く、京都最古の花街である上七軒(かみしちけん)で昭和4(1929)年に創業した「上七軒 ふた葉」。落ち着きのある店内で、気持ちもゆったり。美味しいうどんをしみじみと心ゆくまで味わえます。
店舗情報
上七軒 ふた葉(かみしちけん ふたば)
住所:京都府京都市上京区今出川通七本松西入ル真盛町719(北野上七軒)
電話:075-461-4573
営業時間:11時~17時(売り切れ次第終了)
休み:水曜(25日が天神さんの縁日の日は営業。代休あり)
公式サイト:http://futaba-kami7ken.com/
撮影/篠原宏明 構成/高橋亜弥子
※本記事は雑誌『和樂(2021年4・5月号)』の転載です。掲載商品は税込価格です。営業日や営業時間等変更の可能性がありますので、お出かけの際は最新情報をご確認ください。