資生堂と万博のつながり
資生堂は、明治5(1872)年、東京銀座に日本発の洋風民間調剤薬局として創業したのが始まりです。創業者の福原有信(ふくはら ありのぶ)は、当時の西洋の最新事情を知るため、明治33(1900)年パリ万国博覧会を訪れます。その際見聞したことが、資生堂の、本物や新しさを求める文化の基盤となります。万博の帰路、有信はアメリカのファーマシーでソーダ水が売られていることを発見し、銀座の資生堂にも、と、コップやストローに至るまでニューヨークから輸入してソーダファウンテンを設置。これが後の資生堂パーラーとなり、今日まで息づいています。

昭和45(1970)年、大阪で開催された日本万国博覧会時は、日本の化粧品会社として先進的なパウダールームや香りの演出、スタッフへのメイクアップ講座、または場内移動用の電気自動車の提供に至るまで、さまざまな側面で参加したことが記録に残っています。
香りを用いた共感体験の試み

今回資生堂が催しを行う会場「Dialogue Theater – いのちのあかし –」は、奈良県と京都府の廃校の素材を再構築した、どこか懐かしさを覚える空間です。パビリオンの「いのちを守る」というテーマからは、「対話」や「多様性」の大切さも感じさせます。これは資生堂が目指す「美の力を通じて人々が幸福を実感できるサステナブルな社会」実現のために、重要な要素でもあるそうです。
当社の有する技術がどのように貢献できるか、期間内の11日(金)から14 日(月)までの4日間は、同会場内の「対話シアター棟」にて、感性研究「香りを用いた共感体験」を一般の来場者参加型で実証実験が行われました。

まず、スタッフからほのかに香りが楽しめる対話カードが、来場者に配られます。そして来場者からランダムに選ばれた1人が、スクリーン越しの初めて出会う対話者と、「美」に関するテーマで対話します。観客は2人の対話を自身の考えと比較しながら、映画を観るように鑑賞するという試み。まるで自らも参加しながら、ドキュメンタリー映画の模様を体験しているかのよう。

対話時の二人の心を可視化することで、「香り」に人々の関係性をより良い方向に変える力があるのか、という問いに答える意欲的な実験です。

香りのおもてなしと、その効果は?
対話シアター棟では、来場者へ渡す対話カードへの賦香(ふこう)、森の集会所でのディフューザーによる空間賦香では、SHISEIDOアルティミューンのくつろいだ気分とエネルギーに満ちた感覚を感じられる香りをお届けしています。

また大阪・関西万博の記憶と共に、SHISEIDOアルティミューンの香りを持ち帰ってもらうアロマカードを、森の集会所で配布。資生堂では、昭和55(1980)年代から香りの生理的心理的効果を解き明かす「アロマコロジー研究」を実施しており、アルティミューンの香りも、アロマコロジー研究に基づくものです。

心の動きをわかちあう Beauty Dialogue

Shiseido Week期間中は「森の集会所」にて、「Beauty Dialogue Letter & Post」を設置しています。来場者は、大阪・関西万博を訪れ心が動いた美しい瞬間を、ブランド「SHISEIDO」特製のレターセットにしたため、このポストへ投函することで、国内外の大切な人に送ることができます※1。

テクノロジーが発達する中、あえて「誰かに手紙を書く」ことは、本来の心の動きや他者を思う気持ちを見つめなおすきっかけとなりそうです。
来場者参加型のイベント「Beauty Dialogue Night」

7月18日(金)~20日(日)の夕方17:00-19:00、来場者参加型のイベント「Beauty Dialogue Night」を開催します。来場者の中から任意の二人に「森の集会所」内特設スペースに参加してもらい、その瞬間に相手に伝えたい気持ちをボードの裏表にそれぞれ書き込み、その場で相手に伝える企画です。本企画は 2016 年よりブランド SHISEIDO が実施しているイベント「YOU ARE BEAUTIFUL TO ME, BECAUSE・・・」を日本で初めて実施するものです。
Shiseido Week体験で、新しい自分を発見するのはいかがでしょうか。
開催概要
会期:2025年7月20(日)まで
会場:2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)
シグネチャーパビリオン「Dialogue Theater – いのちのあかし – 」(河瀨直美テーマ事業プロデューサー)内
公式ウェブサイト:SHISEIDO WEEK SPECIAL SITE

