先日に和樂webに集う動物スタッフが、全く違う目線で盛り上がっていることが発覚。「登場人物の武将のなかで、結婚するなら誰がいい?」。エエ!!何、ソレ!!いや、でも面白い見方かもしれない......。そこで、皆が集まって、緊急座談会を開くことにしました!!是非、ご一緒に「いや、私はあの武将がいい」などと思いながら気楽にお楽しみください。
好き勝手に喋る、編集部村の動物をご紹介

◎参加メンバー
◆ラッコ太郎:『晴天を衝け』で大河デビューしたひよっこ大河ウォッチャー。以来、毎週テレビの前で待機するリアタイ勢。太郎だけど実は女子。(座談会ではラコ太と表記)
◆ニワトリ子:映画が大好きなニワトリ。劇場鑑賞でポップコーンを食べることが日課。和文化初心者だけど興味津々で目下勉強中!(座談会ではトリ子と表記)
◆柴犬:大河ドラマ大好きワン子。ティーンエイジャー時代は、周囲がアイドルに熱中する中、時代劇一筋を貫いた強者。自他共に認める、ミーハー。
◆チワさぶろう:歴史とラーメンをこよなく愛するチワワ侍。大河ドラマなど時代劇好き。(座談会ではさぶろうと表記)
才覚があって財力のある武将がいい!
柴犬:では、まずラコ太さんが、今回のテーマの発案者なので、推し武将を教えてもらえますか?
ラコ太:雑談をしていた時に、トリ子さんと「結婚するなら、誰がいい?」と話していて盛り上がったんです。でも、ふたりとも全く違っていて、面白いなぁと思って。それで、実はふたりいるんです!
柴犬:えっ、ふたり?じゃあ、一番好きな方の武将を、お願いします。
ラコ太:うーん、一番好きな方と言われると……。選べないので、ふたり同時に言いますね。
柴犬:どうぞ(笑)。
ラコ太:前田利家(まえだとしいえ)※1と、石田三成(いしだみつなり)※2です。理由は、まず利家はお金持ちなので、安泰そう(笑)。でも、単に財力があるからというより、自分の才覚で財を成したところに惹かれるんですよね。現代でいうと、仕事ができて頭のいい人が好き!みたいな感覚です。三成も知将のイメージがあって、やっぱり頭の切れるところに惹かれます。
(※2)安土桃山時代の武将。関ヶ原の戦いで大敗し、京都の六条河原で処刑された。
柴犬:さぶろうさん、利家ってお金持ちだったのでしょうか?
さぶろう:加賀百万石のイメージですよね。秀吉に引き立てられてから、石高(こくだか)も多くなるのですが、今はまだ『豊臣兄弟!』では描かれていないですよね。
ラコ太:代々受け継がれた財産を持っているよりも、自分で財を成した人の方がいいと思うんです!商才もあったと聞きますし。
さぶろう:利家が愛用していた、そろばんが残っているのですよ。そろばんというと損得勘定で動いていたイメージがあるかもしれませんが、そうではなくて、計算が得意な経済感覚のある人だったのです。決して戦場を駆け巡って、槍を携えてのし上がっただけの人、ではないですね。
ラコ太:ケチっていうのが、唯一気になっているのですが。
さぶろう:利家にとって重要な戦いだった「末森城の攻防戦」※3の時に、妻のまつからケチと言われている記録があります(笑)。金沢城から約30キロメートル北の末森城の危機を知った利家は、末森城と家臣たちを救うために出陣しようとしたのですが、敵方が1万5000の大群に対し、利家の兵はわずか2500人という状態で……。この時にまつが、倹約家の利家が蓄えてきた金銀の袋を持って、「日頃から兵を養うようにと申し上げたのに、殿は耳を貸さず、蓄財ばかりして。それでは、いっそ金銀に槍を持たせて戦われてはいかが!」と言ったそうなんです。
柴犬:まつ、強い!
さぶろう:この言葉で発破をかけられた利家は一気に奇襲をかけて、形成逆転の勝利をおさめたのです。場合によっては、金沢城も攻め込まれていたかもしれないので、わざとケチと罵って利家を奮起させた、まつの機転のお蔭ですね。この勝利がなかったら、加賀百万石を築くこともなかったでしょう。
柴犬:まつとの夫婦仲は良かったのですか?
さぶろう:仲はとても、良かったみたいですよ。
柴犬:そこも、結婚相手としては、ポイント高いですよね!
ラコ太:まつと利家はおしどり夫婦のイメージがあります。才覚で財を築いて、夫婦仲もいい。結婚するなら、かなり理想的じゃないですか?
武将の闇の部分にゾッコン!!
柴犬:トリ子さんの推し武将は誰ですか?
トリ子: 私もふたりいて、もうひとり飛び道具的な人物もいます(笑)。
柴犬:ええ~!誰ですか?
トリ子:織田信長と豊臣秀吉なんです。そして女性だけど、お市がカッコイイなぁと思っていて。
ラコ太:私とは、全然タイプが違いますよね。
トリ子:ちょっと破天荒で、支えてあげなきゃいけないみたいな人が好きなんです。だから、1番は信長で、2番が秀吉ですね。秀吉はおちゃらけているようで、内面に闇を感じるんです。なんか闇要素がないと、私信じられないというか……。そういう人が滅びゆく様子を、共に見ていたいという謎の願望がありまして。
ラコ太:破滅願望?
柴犬:地獄を見るのが好きってこと?
トリ子:そうですね。地獄に美学を感じちゃうかもしれないです。人を殺したりとかひどいことをするのも、本当はしたくないのだけれど、役割のせいで、しかたなくやらなければいけない。じゃあ、私だけは理解してそばにいてあげようみたいなのが、発動してしまうんです!
ラコ太:危険ですよ!危険なタイプに引っかかるパターン!
トリ子:家康には、そんなに惹かれないんですよね。なんだか安定感があるので。
戦国時代に闇のない武将はいない
柴犬:秀吉に闇がある説は、さぶろうさんいかがですか?これからの放送で、きっとそういう部分が出てくると思いますが。
さぶろう:闇は信長も、秀吉も、家康にもあります。みんな闇がありますよ。
トリ子:家康もですか?
さぶろう:あります、あります。家康も怖いですよ。ただ、現代の価値観とは違うので、人を殺すから闇があるとは言えなくて。トリ子さんが言っていたように、殺したくないけど、殺さないとおさまらない部分もあった時代ですからね。秀吉は、天下を取る前の羽柴秀吉と、天下人になってからの豊臣秀吉では、人が変わってしまったようなイメージがあります。
ラコ太:元々が武士じゃなくて、成り上がった人だから、覚悟を決めないといけないのもあったのでしょうか?
さぶろう:当然、あると思います。武士だと切った張ったは当たり前ですが、元は農民なので、本当は相当抵抗もあったのだと思います。ここは描かれるかどうかはわからないですけど、自分が後継者にしようとしていた甥の秀次を切腹させてしまうのですよね。おまけに奥さんとか側室とか、30数人をいっぺんに殺しちゃって……。
柴犬:歴史に詳しいさぶろうさんの目から見ても、あの行動は常軌を逸していると思いますか?
さぶろう:あそこまでする必要は、なかったのではないかと思いますね。秀次を後継者から外したかったのなら、秀次だけを切腹させる方法もあったでしょうし。秀次が謀反を起こしたというのも、単に噂にすぎなくて、あれはもう側室の茶々に秀頼が生まれたので、秀頼に自分の後を継がせたくなってしまったんですよね。家族と一緒に殺された中には、これから側室になる予定だったまだ15歳の駒姫まで含まれているのですよ。
柴犬:この出来事で、秀吉は求心力を失っていったのですよね。トリ子さん、これから描かれるかもしれない秀吉の闇描写、大丈夫ですか?
トリ子:闇を持っている人って、恐れているのだと思います。常に何かにおびえているイメージがあって。だから、支えてあげたい。お嫁さんになったら、自分の価値が上がるような。そして、そういう人が一瞬見せる笑顔とか、ほころんだ表情とかにやられてしまいます。
ラコ太:少女漫画の世界!
トリ子:そういう点でいうと、女性ですけど、お市に惹かれますね。信長の妹として織田家を守っていく前向きなところと、裏で策略を考えるところとか、闇を感じますね。ドラマで描かれた柴田勝家※4との最期も、カッコイイ!って思いました。
さぶろう:勝家との結婚は、政治的な意味合いが強かったので、自分の本当の旦那は浅井長政(あざいながまさ)※5だという意識はあったと思いますけどね。
トリ子:勝家としては、絶対に心から自分の方を向いてはくれないけれど、自分は守る!という気持ちだったんでしょうか?そういう人もいいですね!
柴犬:さぶろうさん、史実的には、どうなのでしょうか?
さぶろう:記録には残っていないのですが、勝家はお市に惹かれていたということになっています。ドラマでは抑え気味でしたけど、秀吉もそうだったといわれています。信長もお市の事を可愛がっていましたしね。信長は兄弟が多いのですが、他の兄弟に対してはさほど愛情が見られないのですが、お市は特別だったみたいです。
柴犬:カリスマ性のある信長が大切にした妹で、戦国一の美女といわれていて。家臣たちの憧れの的だったのでしょうね。
邪心のないピュアさに心を持っていかれる
ラコ太:さぶろうさんから見て、すごく人徳があったのだなぁと思う武将はいますか?
さぶろう:人徳ね……。清潔感があると思うのは、竹中半兵衛(たけなかはんべえ)※6ですね。私心がなくて、自分の能力が発揮さえできれば良いというところがあって。
柴犬:菅田将暉の竹中半兵衛は、素晴らしかったですね!最期の亡くなるところなんて、真に迫っていて、感情移入しすぎて、退場と共にあやうくドラマから離脱しかけました。
さぶろう:今までの大河ドラマのなかで、菅田将暉の半兵衛は指折りの演技だったと思いますよ。
柴犬:あ!私の推し武将のタイプがわかりました!私は邪心のない武将が好きです!
トリ子:同僚とかだと、半兵衛は憧れると思うんですけど。共に生きていくのは、プレッシャーを感じそう。
ラコ太:現実世界と少し離れている気がして、すごすぎて、私たちなんていらないのかな?って思ってしまいそうです。
柴犬:浮世離れしてますよね(笑)。あれは、本当なんですよね?死期が迫っているなかで、黒田官兵衛(くろだかんべえ)※7の息子を守ったというのは。
さぶろう:はい、事実とされています。半兵衛は早い時期から、自分はもう長くないとわかっていたのだと思います。
柴犬:そういうこと聞くと、もうダメですね……。菅田将暉の半兵衛、またドラマで出てこないかなぁ?
トリ子:回想シーンとかであるかも!
志なかばで命を終えた武将は、現代人の心に響く
ラコ太:さぶろうさん、私たちの推し武将を聞いて、どう思われましたか?
さぶろう:それぞれ違っていて。でも、よく理解できましたよ。ラコ太さんの好みは、共感する人も多いんじゃないかな。
ラコ太:やっぱり仕事ができる人は、いつの世もモテそうです(笑)。利家もそうですけど、三成も頭の良いイメージが強いですよね。側室を持たなかったという話もありますし、一途な印象も好感度が高いです。ただ、ちょっと潔癖そうな雰囲気がありますよね。そう考えると、スケールが大きくて豪快なイメージの利家の方が、結婚するならいいかな。
さぶろう:三成は、利家とはまたタイプが違いますが、財務関係もおさえていたので、私腹をこやしていたのではと、思われたりしがちなのですが、全くそういうところがなかった人です。関ヶ原の戦い※8で負けたあとに、三成の城を差し押さえたら、お城に何もなくて、質素だったそうです。自分のためにはお金を貯めようとせずに、すべて豊臣政権のために使っていたのですね。
柴犬:最期の亡くなり方も、印象的です。
さぶろう:歴史的によく語られる人って、最終的に天下を取った人ではなくて、途中で死んでしまうのだけれど、その人らしい生き方をした人ではないのかなと思います。
柴犬:生き様が、現代に生きる私たちの心を捉えるのですね。
さぶろう:トリ子さんが武将の闇に惹かれるのは、母性が強いのかなと思いました。戦国時代も現代も闇のある人は、いっぱいいますから、ご苦労されないように(笑)。
トリ子:はい!闇に行きそうな人を、ぎりぎりで引き留める感じも好きなんですよね。
さぶろう:秀吉の正妻のねねのタイプですね。茶々だとそうはいきませんから。ねねは、秀吉が天下人になってもまったくお構いなく、大名たちが並んでいるような席でも、かちんとくると、秀吉相手に口喧嘩を始めるんですよ。尾張言葉丸出しで。
トリ子:尾張言葉を勉強しないと!
アイキャッチ:『佐久間盛政秀吉ヲ襲ウ』 歌川延一 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

