『猿草子絵巻』の全貌はこちら
擬人化のなかにときどきリアル猿!

可愛いお猿は貴重な歴史的資料!
世界を代表する美術館のひとつであり、海外では最も包括的な日本美術コレクションを有する大英博物館。
その至宝の数々が、江戸時代の作品を中心に来日。
初里帰りとなる円山応挙(まるやまおうきょ)の『虎子渡(とらのこわたし)図屏風』や喜多川歌麿(きたがわうたまろ)の肉筆画『文読む遊女』なども展示されるなか、本誌が取り上げたのは擬人化された猿の物語絵巻です。
「比叡山の麓にある日吉大社の社家(しゃけ)の娘を嫁がせる、というお話です。花嫁行列や宴の場面、準備する台所の様子が描かれています。
連歌(れんが)会や茶の湯など当時の文化や流行もよく表していて、芸術的側面だけでなく歴史的史料としても貴重な作品です」と、担当学芸員の山田桂子(やまだかつらこ)さん。
日吉大社にとって猿は「神猿(まさる)」と呼ばれる神の使い。ユーモラスなこの絵巻も、神聖なものとして描かれたのかも。
「大英博物館の日本コレクションを築いた5人のうちのひとり、オーガスタス・ウォラストン・フランクスが所蔵していたもの。
日本の工芸品を数多く収集した人物ですが、茶道具への関心も高かったようです。道具など、物語の細部にも惹かれたのかもしれません」
8大浮世絵師の名品や、海を渡って分蔵された狩野派の襖絵も一堂に。大阪中之島美術館へも巡回(10月31日~2027年1月31日)する超目玉展覧会をお見逃しなく!
人間に近い猿だからこその擬人化の面白さにも注目
多くの高僧が修行した比叡山の横川(よかわ)エリアの弥三郎吉成(よさぶろうよしなり)と、日吉大社の社家の娘の、縁談の相談、婚礼、出産までを描いた御伽草子(おとぎぞうし)絵巻。
「鮮やかな衣裳の美しさや、性格まで読み取れるような描き分けにも見応えがあります」と山田さん。
会場では嫁入り行列場面を展示。原寸紹介の場面は図録に掲載。
【会場で鑑賞】

【図録で鑑賞】

東京都美術館開館100周年記念「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱~海を越えた江戸絵画」 東京都美術館 ~10/18

展覧会公式サイト:https://daiei-ten2026.exhibit.jp/
※10月31日~2027年1月31日、大阪中之島美術館(https://nakka-art.jp/)へ巡回
東京都美術館 DATA
住所:東京都台東区上野公園8-36
電話:03-3823-6921
開館時間:9:30~17:30、特別展開催中の金曜日は9:30~20:00 ※入館は閉館の30分前まで。
休館日:第1・第3月曜日、特別展・企画展は月曜日休室(祝日・振替休日の場合は翌平日休館)、年末年始、整備休館
公式サイト:https://www.tobikan.jp/
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