をかし、という、今でいう「エモい」のような感覚を大切にした平安の女性、清少納言。身分はそれほど高くなかったものの、歌人の家系で頭がよく、一条天皇の妃・中宮定子(ちゅうぐうていし)に仕えました。『源氏物語』で知られる紫式部とはライバル関係だったようです。
清少納言の書いた『枕草子』は、春はあけぼの、のような情緒のある内容ばかりではありません。かなり言いたい放題であけすけで、でもそれがこの作品の大きな魅力ともなっています。
平安ガール、好みのタイプを語る
清少納言さん、自分のタイプの男性や、恋人にしてほしいことなんかも書いちゃってます。
スレンダーなのがエモい
「公家などに仕えている雑用係やSPはスレンダーなのがいいわよね。身分の高いジェントルマンも、若いうちは細身のほうがすてき。とってもふくよかな人はいつも眠そうに見えるからね」※清少納言個人の感想です
あれ? 平安時代はふくよかな人がもてたんだと思っていました。まあでも、個人の意見ですから。
別れ際だって大切よ?
「別れ際だって情緒が欲しいわよね。名残惜しそうにくっついてきたり、離れがたい素振りをしていたりすると、また会いたくなるの」
おやおや……。でもこれ、どうやら実際にそうしてもらえないことへの不満だったよう。すねているようで、清少納言がちょっとかわいく見えてきます。
お坊さんだってイケメンがいい!
「お坊さんだってイケメンがいいわよ。だって、イケメンの顔をじっと見ているからこそ、仏の説法のありがたさも分かるんだもの。そうでないときにはろくに聞けないから、罪を犯している気分になるの」
どれだけイケメンが好きなんでしょ、清少納言さん。まあ、現代っ子と同じですね。
馬・牛・猫のタイプまで語る
「馬は、黒くって少しだけ白い毛が混じっているのがいいわね。でも、紫のまだら模様のとか、白っぽいのとか、薄紅梅色でたてがみと尾が白いのとか、黒くって四肢の先が白いのもすてき」
「牛は、額がとても小さくて白くて、腹の下とか脚とか尾の先が白いのがいいわ」
「猫ちゃんは、黒くってお腹は白いのが好き」
清少納言さん、動物の好みまで語っちゃっています。基本的に黒に少し白が混じっているのが好きみたいですね。
面食いのツンデレ?
非常に教養のある人だけれど、わりと言いたい放題な清少納言。言葉は尖っていても、実は甘えたがりだったり?
現代に生きていても人気が出そうな、かわいらしい女性ですね。
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超訳百人一首 うた恋い。3 (コミックエッセイ)