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2022.08.03

かわいい・おもしろい浮世絵の動物たち【太田記念美術館】

この記事を書いた人

SNSにかわいい動物の写真や動画が流れてくると、顔を緩ませながらつい見入ってしまいますよね。お気に入りは保存して、何度も見返しちゃうことも! そんな現代の私たちと同じように、江戸に暮らした人々も、動物の浮世絵を買ったり飾ったりして楽しんでいました。

最近サモエドの可愛さにハマって、インスタグラムのおすすめでサモエドばっかり出てきます。


太田記念美術館では、2022年7月30日(土)~9月25日(日)まで「浮世絵動物園」が開催されました。キュンキュンしちゃうかわいい動物だけでなく、ファッションリーダーたちが着こなすアニマル柄、シュールな擬人化など、さまざまな表情のいきものが楽しめます。

※アイキャッチ画像の動物の答えは、記事内でご紹介しています
※記事中の浮世絵は前期展示のものです

かわいい!かっこいい!ちょっと不思議?江戸の動物たち一挙紹介

江戸の街には、たくさんの動物が人と一緒に暮らしていました。動物の日常を切り取ったさまざまな浮世絵が「浮世絵動物園」で楽しめます。

人気のペットたち

江戸でも犬や猫はペットとして大人気! とりわけ猫は人気が高く、浮世絵に描かれたペットの中では、猫が一番多いのだそうです。

『猫に蝶』鈴木春信 太田記念美術館蔵

展示されている浮世絵では「きめ出し」という技術を用いて凹凸を出した質感も楽しめます。毛並みまでしっかり表現されていて、思わず頬擦りしたくなっちゃう!

ほんとに頬ずりはしないでくださいね。


犬派のあなたもご安心を。かわいいワンちゃんの浮世絵もたくさん! こちらは女性の肩に乗って、一緒に手紙を見る姿がかわいすぎますね。ペットを飼っている方は「ウチの子」に似た猫ちゃんワンちゃんを見つけられるかもしれません♡

『当世好物八契』草双紙 溪斎英泉 太田記念美術館蔵
これは犬…なのか?たぬきに見える…。


とま子さんが「たぬきみたい」と言ってますが、これは狆(ちん)という愛玩用の犬。高価だったので、上流階級やお金持ちが飼っていたのだそうですよ。そんな江戸のペット事情がわかるのも「浮世絵動物園」の見どころのひとつです。

働く動物

現代のように車や電車がなかった時代、牛や馬などの動物は、人々と生活を共にするパートナーでした。江戸の街で活躍していた動物たちの活き活きした姿が面白い!

大名行列を見ようと、牛の上に子どもたちが上っています。普段の生活に牛が溶け込んでいるのがよくわかる一幕です。

『東海道』高縄牛ごや 河鍋暁斎 太田記念美術館蔵
「もっと上!もっと上!」「これ以上無理だぁ」なんて声が聞こえてきますね。


こちらは大胆な構図で描かれた馬です。足元には馬糞もポロリ。そんなありのままの姿がいとおしい♡

『名所江戸百景』四ッ谷内藤新宿 歌川広重 太田記念美術館蔵
この絵を見て、リアルで馬の後ろに立っちゃだめですよ!

これぞ、ファッションモンスター!!

大人になると動物が描かれた洋服を着るのは少し恥ずかしくなってしまいませんか? 当時のファッションリーダーだった遊女や役者たちは、男女問わず動物を大胆にファッションに取り入れていました。

『風流花暦』女郎花 歌川国貞 太田記念美術館蔵
蟹じゃん!よく見たら簪(かんざし)も魚がモチーフかな?


『近世水滸伝』鬼神の於松 坂東志うか 歌川国貞(三代豊国)
蛇だ!鬼神のお松は、日本三大盗賊のひとりですね!


まさにファッションモンスター! 「粋」なアニマル柄の取り入れ方、現代でも真似してみたい!

擬人化

風紀を乱すといった理由で、幕府から遊女や役者の絵を描くのが禁止された時期もありました。そんなこと言われたら、かえって燃えちゃうのが江戸の職人魂というもの。浮世絵師たちは動物を擬人化して、新たな文化を発信しました。

こちらは擬人化したうさぎたちが相撲をとる様子です。明治4~6年頃にうさぎが投機の対象となり、繁殖させるのが大ブームに。ハマりすぎて破産する人も出たのだとか。社会現象となった兎には「兎税」がかけられました。

『兎の相撲』歌川芳藤 太田記念美術館蔵

アイキャッチ画像でご紹介した浮世絵はこちら。一体何の動物でしょう? 答えは……カエル!!

『蝦蟇手本ひやうきんぐら』歌川国芳 太田記念美術館蔵
ナメクジかと思ったー!


カエルに見立てられた歌舞伎役者たち。なかなかシュールな絵で、思わず笑ってしまいました。カエル化された歌舞伎役者はどんな気持ちだったのか気になります。

虎×石!? 太田記念美術館のあのキャラクターも!

太田記念美術館でぬいぐるみも作られているこの動物、一体何なんでしょう。

地下展示室で2匹で出迎えてくれました。こんな動物、見たことないぞ……。

実はこちら大河ドラマ『鎌倉殿の13人』にも登場した曽我兄弟にまつわる石。詳しくはこちらのnoteをご覧ください!

『東海道五十三次内 大磯をだハらへ四リ』歌川芳員

ぬいぐるみは太田記念美術館で購入することもできます。虎×石という一見硬派な組み合わせですが、ゆる~い笑顔に癒されます。

SNSでもかわいい浮世絵動物たちが話題に!

今回の展示作品の一部をTwitterでご紹介したところ、想像以上の反響が! いつの時代もみんな動物が大好きですね♡

おうちでも「浮世絵動物園」が楽しめる!

美術館に足を運ぶのが難しい方でも、おうちで「浮世絵動物園」が楽しめる書籍が好評発売中! 128ページにわたって、太田記念美術館に所蔵されている動物たちの浮世絵が掲載されています。枕元において寝る前に見れば、動物ワンダーランドへ迷い込んだ夢がみられそう♡ 江戸の動物たちや浮世絵についての詳しい解説も掲載されているので、楽しみながら江戸に詳しくなれちゃいます!

※虎子石ぬいぐるみはスタッフ私物

浮世絵動物園 江戸の動物 大集合!
監修/太田記念美術館
著/赤木美智、渡邉晃、日野原健司
定価:2,640円(税込) 
B5判並製 
128ページ
小学館
ISBN978-4-09-682360-6

ご購入はこちらから
amazon
小学館webサイト

展覧会情報


浮世絵動物園

2022年7月30日(土)~9月25日(日)
前期 7月30日(土)~8月28日(日)
後期 9月2日(金)~9月25日(日)※前後期で全点展示替え

8月1、8、15、22、29~31、9月1、5、12、20日は休館

開館時間:10時30分~17時30分(入館は17時まで)
入場料:一般 1200円 / 大高生 800円 / 中学生以下 無料

詳細は公式サイトにて
太田記念美術館 Ota Memorial Museum of Art

書いた人

大学で源氏物語を専攻していた。が、この話をしても「へーそうなんだ」以上の会話が生まれたことはないので、わざわざ誰かに話すことはない。学生時代は茶道や華道、歌舞伎などの日本文化を楽しんでいたものの、子育てに追われる今残ったのは小さな茶箱のみ。旅行によく出かけ、好きな場所は海辺のリゾート地。