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2026.04.18

国立西洋美術館で開催中のチュルリョーニス展から『おとぎ話』を詳細解説!【和樂“原寸”美術館】

気になる最新の展覧会情報を網羅した、『和樂』本誌の連載企画「全国厳選! 美術展カレンダー」。今すぐチェックしておきたい情報としてピックアップする今回は、毎号の扉ページに原寸の部分アップを掲載し、作品と展覧会の魅力を解説する「今号の“原寸”美術館 作品の全貌はこちら!」。今回は国立西洋美術館「チュルリョーニス展 内なる星図」で展示される、ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス『おとぎ話(王たちのおとぎ話)』の物語です。

ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス『おとぎ話(王たちのおとぎ話)』の全貌はこちら!

この風景は、輝く未来? それとも…

リトアニアの心を描いた早逝の芸術家

チュルリョーニスはリトアニアを代表する画家。旧ソ連からいち早く独立した、バルト三国のひとつとして知られるリトアニアは、中世からの長い歴史をもち、豊かな文化を育んできた国です。
1875年に生まれたチュルリョーニスは、はじめ音楽家として身を立て、やがて絵画に没頭。35歳の若さで没するまでの約6年間に、300点以上もの作品を手がけていて、本作は晩年の代表作のひとつ。

「チュルリョーニスは画業を通じて、宇宙を司(つかさど)る超越的存在としての『王』を描き続けました。ふたりの王が手にするドームの中には、光り輝くリトアニアの農村風景が収められています。そこには、当時ロシア帝国の支配下にあったリトアニアの民族復興の願いが込められているのでしょうか」(国立西洋美術館 研究員 山枡(やまます)あおいさん)

ふたりの王の背景は夜の森。それは、ただの闇ではありません。
「背景の暗い森に目を凝らすと、枝に小鳥のように止まる小さな城や家々や人々の存在に気づかされます。ひとつひとつの枝の上で密(ひそ)やかな物語が展開しており、その解釈は鑑賞者に委ねられています」

昨年、生誕150周年を迎え、ヨーロッパ各地で再評価されたチュルリョーニスの回顧展は、日本では34年ぶり。唯一無二の世界観に、魅せられてしまうでしょう。

一幅の絵にいくつもの物語を秘めて…

ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス 『おとぎ話(王たちのおとぎ話)』 1909年 テンペラ/カンヴァス 70.2×75.3cm 国立M.K.チュルリョーニス美術館(カウナス) M. K. Ciurlionis National Museum of Art, Kaunas, Lithuania. ※Ciurlionis の「C」は正しくは上に「ˇ」がつきます。

左の王は青い服を着て農村風景が描かれた輝くドームを手に持ち、右の王は赤い服を着て剣を持っている。
対照的なふたりの王の背景は、暗闇と思われる森。一見しただけではわからない、さまざまな物語が進行していて、神秘的かつ幻想的と評されるチュルリョーニスの魅力がぎっしり!
本展では、日本で初公開となる、謎に包まれた大作『レックス(王)』はじめ、約80 点が展示される。

「チュルリョーニス展 内なる星図」
国立西洋美術館 ~6月14日


左/ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス 『レックス(王)』 1909年、テンペラ/カンヴァス 右/同 『リトアニアの墓地』 1909年、テンペラ/厚紙  ともに国立M. K. チュルリョーニス美術館(カウナス) M. K. Ciurlionis National Museum of Art, Kaunas, Lithuania. ※Ciurlionis の「C」は正しくは上に「ˇ」がつきます。

国立西洋美術館 DATA

住所:東京都台東区上野公園7-7
電話:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:9:30~17:30(毎週金・土曜日は~20:00) ※入館は閉館の30分前まで。
休館日:月曜日(ただし月曜日が祝休日の場合は開館、翌平日休館)、年末年始。臨時開館・休館あり
公式サイト:https://www.nmwa.go.jp/jp/

◆『和樂』「全国厳選! 美術展カレンダー」とは?

『和樂』本誌では、発売期間中に全国で行われている展覧会を、作品情報とともに紹介しています。掲載しているのは全国の著名な美術館・博物館。お目当ての展覧会を見に、また旅先での美術館巡りなどで、ぜひともご活用いただきたい【和樂 提携美術館】の優待券を毎号お届けしています! 詳細は本誌でご確認ください。

【和樂 提携美術館】

山形「土門拳写真美術館」、茨城「笠間日動美術館」「徳川ミュージアム」、群馬「原美術館 ARC」、千葉「千葉市美術館」、東京「永青文庫」「太田記念美術館」「菊池寛実記念 智美術館」「五島美術館」「サントリー美術館」「泉屋博古館東京」「東京ステーションギャラリー」「パナソニック汐留美術館」「三井記念美術館」「三菱一号館美術館」「森美術館」「山種美術館」、神奈川「岡田美術館」「川崎浮世絵ギャラリー ~斎藤文夫コレクション~」「ポーラ美術館」、長野「軽井沢千住博美術館」「サンリツ服部美術館」「日本浮世絵博物館」、静岡「MOA美術館」、京都「泉屋博古館」「福田美術館」「細見美術館」、奈良「松伯美術館」「大和文華館」、和歌山「高野山霊宝館」、兵庫「芦屋市立美術博物館」、島根「足立美術館」(都道府県別・五十音順)

※美術館の入館料は、特に明記のない限り税込表示となります。
※本記事は雑誌『和樂(2026年4・5月号)』の転載です。
※本誌では原寸で掲載しています。
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和樂web編集部


取材・文/山本 毅 構成/剣持亜弥、鈴木智恵(和樂)
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※『和樂』2026年4・5月号 美術展カレンダーに誤りがありました。P.224で紹介しました、福岡県・久留米市美術館で開催中の「美の新地平ー石橋財団アーティゾン美術館のいま」の入館料は、正しくは一般1,500円となります。お詫びして訂正いたします。
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