写真の臨界点、表現の「際」。KYOTOGRAPHIE 2026が描き出す「EDGE」の現在地

写真という存在もまた、常にその内側に「際」を抱えてきました。誕生以来、記録と芸術や真実と虚構の”あわい”を揺れ動いてきた写真は、新たなテクノロジーの到来と画像が氾濫する時代のはざまで、ひとつの臨界点に立たされています。今回のKYOTOGRAPHIEは、まさにこの”あわい”を、緊張と変化が同時に生まれる場所として描き出します。
古都の街並みと写真の化学反応を体感して

本祭には、日本をはじめ南アフリカやフランス、パレスチナなど、世界8ヶ国13組の気鋭の表現者たちが集結。八竹庵(旧川崎家住宅)や重信会館、東本願寺の大玄関といった歴史的建造物から京都を代表する文化施設まで、多彩な会場がその特別な舞台になります。歳月を重ねた空間と写真が互いに響き合い、不確実性の中から次なる可能性を見出すようなドラマチックな光景は、きっと見る者の心に深く刻まれるはず。
注目の展示
森山大道|「森山大道 – A RETROSPECTIVE」Presented by Sigma In collaboration with Instituto Moreira Salles and Daido Moriyama Photo Foundation

京都市京セラ美術館 本館 南回廊 2階では、「森山大道 – A RETROSPECTIVE」が開催に。氏の写真と、その概念的探究の軌跡をたどる大規模回顧展となっています。
LINDER STERLING(リンダー・スターリング)|「Linder: Goddess of the Mind」Presented by CHANEL Nexus Hall
京都文化博物館 別館で開催されるのはリンダー・スターリングの日本初の個展。1970年代後半のパンクシーンから頭角を現し、イギリスの最も影響力のある現代アーティストの一人となったリンダーのパンク精神溢れるコラージュ作品は必見。
LEBOHANG KGANYE(レボハン・ハンイェ)|記憶のリハーサル Presented by DIOR

東本願寺 大玄関で開催されるのは、ヨハネスブルグを拠点とするレボハン・ハンイェの展示。南アフリカ共和国の歴史、家族の歴史、そしてポストコロニアルの現実が重層的に絡み合ったストーリーが紡がれます。
南アフリカの視覚芸術をひもとくプロジェクトも開催

さらに、今年は南アフリカの歴史と表現に触れるプロジェクトも大きな見どころ。4月19日には、ネルソン・マンデラ元大統領の曾孫であるシヤブレラ・マンデラ氏を招いたシンポジウムを開催。平和や人権のリーダーである氏とともに、アートが社会に果たす役割を語り合います。
体験型や参加型の多彩なプログラムで京都の街全体が学びの場に

また、子どもから大人、アマチュアからプロの写真家までを対象とした多彩なプログラムも同時に展開されます。出展アーティストから直接写真について学べる貴重な「マスタークラス」や、写真表現の最前線に触れる「ポートフォリオレビュー」も継続して実施。建築や歴史といった関連分野にも造詣を深める、多層的な文化体験を提供します。
ひとつの終わりが、次の始まりへと導かれる場所へ。春光に満ちた京都で、写真が映し出す「エッジ」な景色を巡る旅に出かけてみませんか。
開催概要
KYOTOGRAPHIE 2026 京都国際写真祭
会期:2026年4月18日〜5月17日
公式サイト:https://www.kyotographie.jp/

