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「辻和金網」の京金網
使い手の要望をかなえながら、たくさんのヒット作を生み出した
京金網(きょうかなあみ)は、平安時代に始まった当時は大変高価なもので、一般に広まったのは近代以降。針金を手で編んでつくられてきた京金網は、まさに職人の手仕事の賜物(たまもの)です。その伝統を受け継いでいるのが辻 泰宏(つじやすひろ)さん。昭和8(1933)年にプロ用の専門店として工房を創業し、25年ほど前から一般客への販売も行うようになった、「辻和金網」の3代目です。
店内の奥の部分は工房を兼ね、金網の材料となる針金やつくりかけの網、型などがそこかしこに。その一角の作業スペースに、辻さんが金網を一心に編む姿があります。
「丈夫で使いやすい」にこめられた、職人のこだわりを見よ!
京金網の基本は〝亀甲(きっこう)編み〟という手法。均一な編み目は型を用いますが、手仕事には形や大きさを自由に変えられる利点があり、客の要望に応じた新製品も続々登場。特に話題になったのが、超絶おいしいトーストが焼ける「手付き焼網(やきあみ)」。ガスの火に近いほうに細かい編み目の受け網をつけ、火が均等に当たるよう工夫された焼網は、改良をくり返し、素材や形も多種多様。〝キャンプめし〟でも大人気です。
また、コーヒーがおいしく淹(い)れられると評判の「手編みコーヒードリッパー」や、豆腐が崩れない「湯どうふ杓子(しゃくし)」など、人気作が多く、それぞれ修理も受け付けます。
そんな京金網の使い方や魅力を、つくり手から説明してもらえるのも、こちらならでは!
ひとつひとつの工程を丁寧にくり返しながら、名品を生み出していく
辻さんの名品1・ペーパーフィルターで淹れるコーヒーが断然おいしくなる!
辻さんの名品2・パンも餅も肉も魚も野菜も絶妙に焼き上がる
辻さん名品3・修理して使い続ける人多数。一家にひとつの必需品!
「辻和金網」店舗情報
読み方:つじわかなあみ
住所:京都市中京区堺町通夷川下ル亀屋町175
電話:075-231-7368
営業時間:9時~18時
休み:日曜・祝日
公式サイト:http://tujiwa-kanaami.com/
※本記事は雑誌『和樂(2024年4・5月号)』の転載です。
※掲載価格はすべて税込です。掲載商品は、売り切れや販売期間の終了の場合があります。価格や営業時間も変更される可能性がありますので、お出かけの前に公式サイトなどでご確認ください。