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Craftsmanship

2025.01.29

日本料理のプロも愛用する、熟練の職人技「鍛金工房westside33」の調理器具【手仕事の京都・道具名品編3】

京都は平安時代以来、芸術文化を紡いできた美しき都です。 このシリーズでは「手仕事の京都」をクローズアップ! 今回は鍛金の技を受け継ぐ職人と、その手から生まれた〝道具名品〟を紹介します。

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「鍛金工房westside33」の調理器具

左/真鍮(しんちゅう)を用いた容器を丁寧に拭き上げ、完成へと向かう。真鍮製品は手間がかかり、アルミや銅より高価になる。右/アルミ鍋の底の部分に槌目を入れる、職人の寺地伸行さん。曲がり具合などは、測定せず、長年培ってきた感覚で同じ形に仕上げていく。

一見すると無骨だが、凝らされた技巧は実に繊細

料理好きが憧れる調理道具のひとつが、日本料理のプロたちが愛用している「ゆきひら鍋」。究極は、鍋肌に規則的な凹凸があり、淡い光沢を放つ、手作業のものです。そのような鍋は、鍛金(たんきん)という技法で生み出されます。

板や塊(かたまり)、棒状の金属を槌(つち)などで打って成形する技法が鍛金。金属を鍛(きた)えると書くように、打ちつけることで金属は強固になり、製品にしたときに長もちするようにもなるのです。

そんな鍛金の技術を祖父の代から受け継いできた職人が、現在3代目である寺地伸行(てらちのぶゆき)さん。京都府南部にある工房を訪ねると、寺地さんはじめ4人の職人が一心不乱に作業中。ひとりが全工程を受け持つため、各人が異なるアイテムを打つ槌の高い音、低い音が共鳴しています。

寺地さん曰(いわ)く「鍋底の曲がり具合は、自らの感覚によるもの」。まさに熟練の職人技です。

左/鍋や釜などのアイテムに合わせて、さまざまな大きさの金槌(かなづち)がずらり。よりよい仕上がりのため、職人自身が道具にまでこだわっている。右/槌を入れ終えた銅鍋に錫(すず)をかぶせる〝錫引き加工〟の途中の姿。これは銅の劣化を防止するためのもので、てんぷら鍋をはじめ鍋類全般に用いられている。

槌打つ音が鳴り響く工房から道具名品が続々完成!

こちらは当初、業務用の卸専門でしたが、平成6年(1994)年にギャラリー兼ショップ「鍛金工房westside33」を、三十三間堂(さんじゅうさんげんどう)の西隣の位置にオープン。鍛金による調理道具やオリジナル製品がサイズ展開も豊富にそろっていて、オーダーや修理も頼めます。

鍛金したものは「熱伝導がよく、丈夫で修理もできる一生もの」。寺地さんは今後、調理器具のほか、さまざまなアイテムをつくりたいのだそう。そんな道具に出合うため、ぜひギャラリー兼ショップに足を運んでみたいものです。

寺地さんの名品1・大小多様なサイズがそろう憧れの「ゆきひら鍋」

アルミゆきひら鍋、上から、径15㎝(8,140円)・径16.5㎝(8,580円)・径18㎝(9,790円)。最大の径27㎝(20,020円)まで、ほかに5サイズある。

寺地さんの名品2・見た目にかわいく高性能な、小さいサイズの寸胴鍋

アルミ寸胴鍋(ずんどうなべ)径15㎝(16,830円)。小さくても実用性は抜群! サイズはほかに、径18㎝(19,800円)から径24㎝(33,990円)まで。

寺地さんの名品3・〝おうちごはん〟を楽しむための銅製ひとり鍋

銅ひとり鍋(19,580円)。取り扱う素材はアルミのほかに、銅と真鍮。デザインやサイズのオーダーなどもできる。

寺地さんの名品4・ご飯を炊くのも蒸籠蒸しもこれがあれば大丈夫!

アルミ段付き鍋厚型 径14㎝(20,240円)。ご飯1合用。蒸籠(せいろ)もつけられる。 径27㎝(39,710円)まで6サイズ。

「鍛金工房westside33」店舗情報

読み方:たんきんこうぼううえすとさいどさんじゅうさん
住所:京都市東山区大和大路通七条下ル七軒町578 
電話:075-561-5294 
営業時間:10時~17時
休み:火曜・年末年始
公式サイト:https://westside33.jp/

※本記事は雑誌『和樂(2024年4・5月号)』の転載です。
※掲載価格はすべて税込です。掲載商品は、売り切れや販売期間の終了の場合があります。価格や営業時間も変更される可能性がありますので、お出かけの前に公式サイトなどでご確認ください。

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和樂web編集部


構成/山本 毅 撮影/内藤貞保
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