コンクリートや鉄筋の建物が増えて、和室がない部屋で暮らしている人も多いのではないでしょうか?
「長押」は、日本建築で見られるものです。さて、なんでしょう?
読みは「なげし」
「長押」は「なげし」と読みます。日本建築でよく見られ、床と水平に、柱から柱へと打ち付けられた横長の木材が、この長押。もともとは柱を連結する実用的なものでしたが、貫(ぬき)という、柱を貫通させる工法が一般的になってからは、化粧材として使われるようになりました。
取り付けてある位置によって名前が異なるのですが、「鴨居(かもい ※次項参照)」の上に取り付けてある「内法長押(うちのりなげし)」がもっともよく目にする機会が多いと思われます。
スマートフォンなどを使い慣れていると「ながおし」と読みたくなりますが、実はこれも正解。「ながおし」が本来の言葉で、それが短くなって「なげし」になったといわれています。
スマホやタブレット端末の操作も、遠い未来には「なげし」と呼ばれるようになっているかも!?
鴨居との違い
鴨居とよく混同される長押ですが、どんな違いがあるのでしょうか?
鴨居は、いわば窓のレールにも似たもので、障子やふすまなどの上部に設置された、溝のついた横木のことです。鴨居にもいくつかの種類があり、溝がないものは「無目鴨居(むめがもい)」と呼ばれます。
長押は洋室でも活用できる!
日本建築だけのもの、と思いがちな長押ですが、実は洋室の壁面収納としても使えるんです。
和室でもハンガーをかけるなどの使い方をしますが、壁に取り付けてフックをかけて使ったり、長押の上にインテリア小物を置いたり、本をディスプレーしたり。
長押は今、洋室のおしゃれアイテムとしても大人気となっているのです。
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アイキャッチ画像:歌川広重『江戸高名会亭尽 湯島 松琴亭』メトロポリタン美術館より