シリーズ一覧はこちら。
蔦重AtoZ
C=チャレンジ精神で出版界に進出!
蔦重は23歳のころ、新吉原大門口(しんよしわらおおもんぐち)・五十間道(ごじっけんけんみち)の義兄の茶屋「蔦屋次郎兵衛(じろべえ)」の軒先(のきさき)を借りて書店「耕書堂(こうしょどう)」を開業しました。
ここで、版元「鱗形屋(うろこがたや)」発行の『吉原細見』を販売するほか、出版にも着手していきます。
当時の書店は販売よりレンタルが主でした。かけそば1杯16文の時代に、貸本(かしほん)は新刊約24文、旧刊約6文。販売価格はその約10倍だったので、貸本は庶民の心強い味方でした。
でも、どうして蔦重は書店を・・・。
経緯は不明ですが、吉原で生まれ育ち、地域のコミュニティに精通していたことと、後に発揮される創意工夫や進取の精神がカギを握っていたと思われます。
蔦重をサクセスストーリーへと導いたきっかけは、持ち前のチャレンジ精神にあったようです。
蔦重が再編集した吉原ガイド『吉原細見』
当初、鱗形屋版『吉原細見』を販売しながら、出版にも参加した蔦重が、出版権を得て再編集した一冊。サイズを大きくし、一新した内容が評判を呼んだ。
関連記事:『吉原細見』には何が書かれていた? 蔦重の“ベストセラー”を解説!
最終ページには「版元 蔦屋重三郎」の文字が
本の最終ページには、本のタイトルや著者名、出版元、発行年月日などの「奥付」が記載される。「版元 蔦屋重三郎」の文字が誇らしく見える。また、同じ見開きには自社の出版目録をつけ、新しい広告戦略として活用したことも話題になった。