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2026.02.18

和食料理人・野崎洋光さんが提案! 目からウロコの「だし」の取り方

「これまでの和食の常識は、実は間違っていた」。そう語るのは、和食料理人・野崎洋光さんです。私たちがずっと正しいと思い込んでいた家庭での和食づくりのコツの多くは、プロが用いることによってこそ生きるものや、家庭での調理器具が今ほど進歩していない昔ながらのもの。 野崎さんは、調理器具や素材が格段に進歩した〝今〟の和食づくりの基本があると力説します。その最新アイディアをうかがった本誌のバックナンバーから、まずは「だし」の取り方を教えてもらいました。

『和樂』2010年10月号の特集より。15年前の記事ですが、今読み替えしても新しいアイディアを、野崎洋光さんが教えてくれていました!

×だしはかつお節をたっぷり使う→〇かつお節と昆布はこれだけで十分!

和食の中で最も誤解されているのが、だしに対する考え方だと思います。
一般に、かつお節の中でも最上品の本枯節(ほんかれぶし)と北海道の昆布をたっぷり使い、沸騰させてつくるのが「一番だし」。こしたかつお節と昆布を煮出したものが「二番だし」。

以上が本式だと思われていますが、それは昔の懐石料理店のやり方です。そんなことを、家庭でまねする必要はありません。

だしをとるための材料は、1ℓの水に対して、かつお節10g、昆布8㎝角。
水は沸騰させず、75~80℃の温度にして、かつお節と昆布を1分間ひたすだけ。

だしの材料をたくさん使ったからといって、おいしくなるわけではなく、家庭では宗太鰹(そうだがつお)やさばの削り節で十分でしょう。

かつお節と昆布の味が最も出やすい温度が75~80℃で、沸騰させると渋みやエグ味が出てしまいます。さらに、煮出さなければ、二番だしも風味が豊かになります。

最近はどんな料理にもだしを使う人が多いようですが、それは大きな間違いだと思います。 煮物やあえ物、味噌汁などは、具材の味だけでおいしくなります。
ひと昔前は家庭で毎日だしをとることなどなかったのに、化学調味料や顆粒だしの登場で、だしがなければ料理ができないという思い込みが生まれたのですね。

料理で大切なのはだしの味ではなく、素材のうまみを得ることです。だしに頼らないようにすると、家庭料理はもっとおいしくなります。

トマトだって「だし」になります!


「かつお節や昆布だけでなく、煮干しや肉、魚をはじめ、野菜やきのこ、油揚げから味噌や醤油などの調味料にいたるまで、それぞれの素材は独自のうまみをもっています。だから、だしの味をきかせるより、素材のうまみをいかに引き出すかを考えるべきです」と野崎さんは言います。

たとえばアミノ酸が豊富なトマト。うまみのもとはアミノ酸なので、その味わいはだしに通じます。絞ってジュースにして水をたし、醤油と各種の薬味を加えたら、そうめんなどのつけだれに早変わり。なすなどの野菜を入れて煮立て、醤油、塩で調味すると、味わい豊かな汁物になります。

野崎洋光 のざきひろみつ

和食料理人。東京グランドホテル、八芳園を経て「とく山」の料理長に就任。西麻布の「分とく山」ほかグループ5店舗の総料理長を経て、2023年に勇退。伝統を重んじながら、独創的な個性のある料理で日本料理界に新しい風を吹き込み、各種メディアで活躍中。「本格おうち和食」をInstagramYouTubeでも発信中!

※本記事は雑誌『和樂(2010年10月号)』を再編集した転載です。
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和樂web編集部

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