一年で一番好きなシーズンをを聞かれたら「クリスマス」と答える方も多いのでは? 街がイルミネーションで煌めき、レストランやショップなどにおしゃれなクリスマスツリーが飾り付けられた光景を見ているだけでワクワクします。
そこで質問です。クリスマスツリーのてっぺんには、なぜ「星」が飾られているのでしょう?
「なんとなく収まりがいいから」
「華やかだから」
「ツリーを買ったら付いてきたから」
そう思っていませんか? 実は「てっぺんの星」はクリスマスにおいて、非常に重要な意味をもつアイテムなんです!
イエス・キリストの誕生
クリスマスツリーに飾られた星の意味を発表する前に、イエス・キリストの誕生に関して説明しましょう。
12月25日クリスマスは、イエス・キリストの誕生をお祝いする日です。イエスはどこで生まれたかというと、パレスチナ地方の「ベツレヘム」という町。父はヨセフ、母はマリアですが、マリアは処女の状態で妊娠しました。
このことに悩んだヨセフは、密かにマリアと離婚しようと考えます。しかし、お告げによって「この子は神の子である」と理解したヨセフは、マリアを受け入れました。
こうして生まれたのが、イエス・キリストです。
博士たちをイエスのもとに導いた星
星に関する記述は、新約聖書・マタイによる福音書に見られます。
東の方から来た博士たちが星に導かれて行くと、その星はイエス・キリストのいる場所で止まりました。つまり、星はイエスの居場所を示す、非常に重要なものだったのです。そのため、イエスの誕生をモチーフにした宗教画などでも、たびたび星が描かれています。
このことから、クリスマスツリーの星は「ベツレヘムの星」と呼ばれています。ただ何となく飾ってあるわけではなかったのですね。ちなみに、イエスはベツレヘムの馬小屋で生まれました。
他のオーナメントにも意味がある!
クリスマスツリーに飾る他のオーナメントにも、宗教的な意味をもつものがあります。例えばアルファベットの「J」をひっくり返した形をしたキャンディーは、羊飼いの杖。丸い飾りは、アダムとイヴが食べたリンゴだと言われています。
クリスマスシーズンにはさまざまなオーナメントや飾りがお店に並びますが、デザインを楽しむのはもちろん、その意味を調べてみるのも面白いですよ。
アイキャッチ画像:アムステルダム国立美術館蔵
その他記事中の宗教画は全て:メトロポリタン美術館蔵