戦国のシビアな時代をかけぬけた戦国武将たちは、ドラマチックな最期を迎えた者も多くいました。
『爆死』とは、なかなかなインパクトです!
下の3人の武将の中から選んで下さい。
1.足利義輝
2.松永久秀
3.柴田勝家
答えは……2番です!
クセ強めだけど憎めない?
出自は謎が多いとされていますが、畿内(きない)を支配した戦国武将です。大河ドラマ『麒麟がくる』では、吉田鋼太郎が、一癖も二癖もあるキャラクターを魅力的に演じています。下克上を行った典型的人物とされ、三好長慶(みよしながよし)に仕えて重臣となりますが、その死後に長慶の息子を毒殺。長慶の家臣・三好長逸、岩成友通、三好政康の三好三人衆と共に、13代将軍足利義輝を襲い殺害します。さらには三人衆が陣をしいた東大寺を攻め、戦火で大仏殿が焼け落ちます。
長らくこれらのエピソードは、久秀が首謀とされてきました。どうも、これは後代の創作では? というのが最近では有力になっています。変わり身が早く、抜け目のないところが悪役に仕立てやすかったのかもしれません。
天正5(1577)年、久秀は信長に背いたことで信貫山城(しぎざんじょう)にたてこもります。この時、自分と同じ種類の人間と思い、親しみを感じていた信長は久秀に助け船を出します。「天下の名物茶器『古典明平蜘蛛の釜(こてんみょうひらぐものかま)』
を差し出せば、命は助ける」と告げたのです。しかし、久秀は従わずに平蜘蛛の釜を抱いて火中に投身して生涯を終えます。
この時68歳と聞くと、何とも、ファンキーな死に様という印象です。もう、ここまでと悟って、名器と共に死ぬことを演出したように感じますね。この火中に飛び込む時に釜に火薬を詰め、爆死した伝承が広く知られています。久秀のイメージにぴったりですが、実際は切腹して自ら城に火をかけたのが真実だと言われています。さて、『麒麟がくる』の久秀は、どんな最期を迎えるのでしょうか?
柴田勝家の驚く最期!!
冒頭にあげた3人のうちのひとり、柴田勝家は、秀吉に攻められて自害したことで知られています。信長の妹で、妻のお市も道連れでした。死を覚悟した勝家はお市を刺し殺すと、切腹します。『柴田退治記(しばたたいじき)』によると、五臓六腑を引きずり出して絶叫して果てたというのです!! なんという凄絶な死。愛する妻と死ななければいけない無念。秀吉への恨みからなのでしょうか? 秀吉はお市の方を長年恋慕っていたそうなので、複雑な関係性を感じてしまいます。
動乱の時代に生き、激しく散った戦国武将を知ると、日々を大切に生きなきゃ、そんな気分になりますね。
参考文献:『残念な死に方事典』小和田哲男監修 ワニブックス 『朝日日本歴史人物辞典』朝日新聞出版