鍋がおいしい季節です。
最近では本当にいろいろな種類のものがあり、もしかしたら冬の間じゅう、毎日違う鍋が食べられるんじゃないか、というほどバラエティーに富んでいます。
さて、そんな鍋ですが、世にも恐ろしい「地獄鍋」というのを聞いたことがあるでしょうか? 名前だけでも怖くなってきてしまいますが、実態を知って、いろんな意味で震えました……!
恐怖の地獄鍋の世界に、ようこそ。
地獄鍋とは?
地獄鍋は、別名「どじょう豆腐」「どじょう地獄」ともいい、鍋の具材にどじょうと豆腐を使う(その他はお好みで?)というもの。
しかしなぜそれが「地獄鍋」なんて呼ばれるのでしょうか?
地獄鍋の調理法、なかなかにエグイ……
その理由は、調理法にあります。
生きたままのどじょうを豆腐と一緒に鍋に入れ、水からじっくり弱火で煮る……すると、だんだん上がっていく水温に耐えかねたどじょうが、少しでも冷たい場所を探して豆腐に潜り込み、そのまま茹で上がってしまうのだ……。
ひいい! なんてこと! 知らないうちに茹で上がっちゃっている「ゆでガエル」のほうがまだマイルド! ――でもないけれども。出汁じゃなくて人の業の深さが染みてきます……。うう、こんなことしたら、とんでもないレベルの地獄に落とされそう。
▼地獄については、こちらの記事にて。
地獄とはどんな場所?落ちたらどうなるの?仏教の地獄を徹底解説
地獄鍋は実在しない?
しかしこの地獄鍋、ゆでガエル同様、実際にあるわけではない、というのが有力な説。
再現を試みたテレビ番組でも、どじょうが豆腐に潜ることなく息絶えたとか。あらかじめ豆腐に穴を開けておけば、多少潜ることはあるともいいますが、深く入り込んでいるものは人の手で作業したものがほとんど、そもそもこれはフィクションだろうと見る向きが多いようです。
地獄鍋の由来とは?
では、どうしてこんな伝説ができたのでしょう?
諸説ありますが、肉食を禁じられた僧侶は湯豆腐と見せかけてどじょうを食べたいだろうという推測や願望から、あるいは落語話からきたもの、などと言われています。
一応、「地獄」と名付けるだけの良心は残っていたんだな、と思いつつ、それでもうすら寒くなってきた、たい焼きは頭からひと思いにいくあきみずがお送りいたしました……。もつ鍋でも食べるか……(おい)。
▼地獄といえば、やはり鬼。
『鬼滅の刃』はなぜ人気なのか?日本民話と鬼の正体から考察してみた
鬼!鬼!鬼!酒呑童子伝説が残る大江山には「日本の鬼の交流博物館」があった!
アイキャッチ画像:『往生要集一巻』メトロポリタン美術館より
参考:
日本豆腐協会サイトhttp://www.tofu-as.com/tofu/history/14.html