4月8日は、仏教の開祖であるお釈迦様が誕生したとされる日。多くの寺院で、「灌仏会(かんぶつえ)」という行事が行われます。花で飾った御堂を作り、その中にお釈迦様の誕生仏を安置して、甘茶をそそぎかけます。灌仏会の「灌」は「そそぐ」という意味です。
ところで、お釈迦様って?誕生秘話も紹介
お釈迦様の生没年は明らかになっていません。今から約2500年前、ヒマラヤ山脈の麓にシャカ族という部族が住んでいました。部族の王と妃の間に生まれたのが、お釈迦様。
ガウタマ・シッダールタ(ゴータマ・シッダッタなどとも)が本名で、釈迦はシャカ族にちなむ名前です。聖者を意味する牟尼(むに)をつけて釈迦牟尼(しゃかむに)、釈尊(しゃくそん)などという呼び名もあります。
お釈迦様の誕生にまつわる不思議なエピソードは、お釈迦様の母が白い象が胎内に入る夢を見た、出産時に天女が舞い降り、お釈迦様の頭上に龍が清らかな産湯をかけたなど、数えきれないほどあります。
花まつりを行う宗派と場所は?甘茶やお参りの知識も
お釈迦様誕生にまつわる故事にならい、花まつりでは、お釈迦様の誕生時の姿を表す小さなお像が用意されます。
参拝者は、用意された甘茶をひしゃくですくい、お像にかけます。お釈迦様の誕生を祝い、供養するという意味です。また、甘茶をふるまう寺院もあるので、ぜひいただきましょう。
江戸の年中行事を紹介する『東都歳時記』では、花まつりを行う主な寺として、上野の寛永寺、芝の増上寺、浅草の浅草寺、本所の回向院(えこういん)と弥勒寺(みろくじ)、大塚の護国寺、牛込の済松寺(さいしょうじ)、小石川の伝通院が挙げられています。
花まつりは、4月8日前後に、宗派に関わらず執り行われますが、すべてのお寺で行わるわけではありません。ご縁のあるお寺、行きやすいお寺などに花まつりの実施有無や日程などを聞いてから、お出かけしてはいかがでしょう。
アイキャッチ画像:『千代田之大奥 釈迦もふで』国立国会図書館デジタルコレクション
参考文献
デジタル版『日本国語大辞典』
デジタル版『世界大百科事典』
浄土宗公式サイト https://jodo.or.jp/