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2024.05.27

吉原の内部スタッフ「不寝蕃」は、客と遊女の部屋に入る気まずい仕事だった?

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幕府公認の遊郭として誕生した「吉原遊郭」では、遊女たちは遊郭の中で暮らし、男たちを相手に春を売る商売をしました。「日に千両が舞い落ちる」とも称された不夜城では、遊女だけではなく様々な仕事をする人たちがいたようです。その一部を紹介します!

不寝蕃って何をしていたの?

妓楼(ぎろう)では、客のいる部屋は一晩中行灯(あんどん)をともし、真っ暗にはしませんでした。そのために「不寝蕃(ねずばん)」が、文字通り夜通しで行灯の火を絶やさないように油をさして回ったのです。当然、客と遊女が行為の真っ最中ということもあったでしょう。不寝蕃が眠ることができたのは、夜明けと共に行灯の掃除をしてからだったそうです。

左側の油を注いでいるのが不寝蕃 なんだか辛そう? 『傾城買談三部集』 山東京伝 国立国会図書館デジタルコレクションより

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見世蕃の役割は何?

吉原と言えば、豪華絢爛な花魁道中(おいらんどうちゅう)が有名ですね。美しく着飾ったトップ遊女の太夫が、大勢を従えて練り歩く姿が、浮世絵でもよく描かれています。

左側に見えるのが見世蕃 『東都三十六景 吉原仲之町』二代目歌川広重画 国立国会図書館デジタルコレクションより

箱提灯を持って行列の先頭になって歩いたり、長傘を差しかけたりするのは「見世蕃(みせばん)」の役割でした。また妓楼の入り口には、妓夫台(ぎゆうだい)と呼ばれる台があり、道行く人に声をかけて呼び込む「妓夫(ぎゆう)」と呼ばれる仕事もありました。見世蕃も妓夫とともに妓夫台に座ったそうです。

彼らの仕事は、吉原という夢の世界を作りあげるために欠かせない、裏方のポジションと言えますね。

▼花魁道中についてはコチラから!
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おっと、こんな仕事もありました!!

男性の裏方仕事を紹介しましたが、「遣手(やりて)」は女性が担当しました。遊女上がりがなることも多く、客あしらいから床技の伝授など、楼主に代って遊女たちをしつける監督役だったようです。

遊女たちは、時には客と本気の恋に陥ってしまうこともありましたが、その時に間に入るのも遣手の仕事。遊女にとっては、煙たい存在だったことでしょう。

『明鳥雪惣花』 山東京伝 国立国会図書館デジタルコレクションより

▼詳しくは、こちらの記事から
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参考書籍:『吉原遊郭のすべて』双葉社、『日本大百科全集』小学館、『世界大百科事典』平凡社
アイキャッチ:『吉原遊郭娼家之図』国貞,五渡亭国貞  国立国会デジタルコレクションより

書いた人

幼い頃より舞台芸術に親しみながら育つ。一時勘違いして舞台女優を目指すが、挫折。育児雑誌や外国人向け雑誌、古民家保存雑誌などに参加。能、狂言、文楽、歌舞伎、上方落語をこよなく愛す。ずっと浮世離れしていると言われ続けていて、多分一生直らないと諦めている。