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2020.04.30

徳川将軍の生活とは?起床・就寝時間や食事・仕事・趣味など1日のスケジュール紹介!

この記事を書いた人

「薬より養生」という言葉がある。病気になってから薬を飲むよりも、普段から体をいたわった方が健康でいられる、という意味だ。
江戸城に暮らす将軍も、実はものすごく健康的な生活を送っていた。天下を治める者は体が資本。そのヘルシーライフをご紹介しよう。

将軍の一日のスケジュールを紹介!

将軍は毎日同じようなスケジュールで生活していた。生活リズムを整えることは、健康な心身をつくる重要なポイントだ。その生活を垣間見てみよう。

※記載した時間はだいたいの目安です。

早起きは三文の徳。将軍の朝は早い

6:00
朝起きると、小姓(こしょう)という、将軍の傍近くに使える者が「もう」とお触れを出す。これを合図に歯磨きや洗顔の用意がされる。将軍は「大奥」もしくは「中奥」という生活空間で寝起きしており、身支度の全てを小姓の介添えで行った。

質素な朝食&健康診断は毎朝


8:00
江戸城に暮らす将軍ともなれば、毎朝さぞかし豪華な朝食を優雅に食べていたと思うだろう。しかし「過ぎたるは猶及ばざるが如し」。将軍の朝食は、ごはん・汁物・焼き魚(キスが多めだったらしい)・香の物などといったシンプルな内容だったそうだ。
朝食を食べながらヘアスタイルを整えてもらい、食後には毎朝6人くらいの医師の診察を受けていた。

朝の御目見えでお仕事スタート

9:00
朝食が済んだら大奥の仏間へ向かい、歴代将軍の位牌を御台所(みだいどころ/将軍の夫人)とともに拝む。その後「朝の総触れ」という、ドラマなどでお馴染みの女中たちへの御目見えを行う。女性に取り囲まれて、なんとも清々しい一日のスタートだ。

勉強・鍛錬の時間


10:00
御目見えが終わったら、剣術の稽古や学問に励んでいた。基本的に公務は午後からだが、忙しいときは午前中から公務をこなすこともあったようだ。

お昼を食べたら公務開始!

12:00
昼食を済ませたら、2時間程度公務を行う。主な業務は、下からあがってくる書類に目を通し、決裁すること。老中などの重臣から報告を受けることもあった。忙しいときは夕方までかかることもあったそうだ。とはいえ長くても5時間程度。うらやましい労働環境だ。

2時間働いたら趣味の時間!


14:00
公務が立て込んでいなければ、午後は乗馬・謡曲・書画など趣味の時間を楽しむ将軍が多かった。毎日健康に暮らすためには、リフレッシュしつつ充実感が得られる時間が必要である。

お風呂は夕食前に

17:00
夕食前にお風呂に入る。衣服の着脱から体を洗うことまで、入浴の全てを小姓や小納戸(こなんど/将軍の雑用を行う者)の介添えで行う。体を洗う糠袋(ぬかぶくろ)は使い捨てで、顔や手足など、体の部分ごとにそれぞれ糠袋が用意されていた。

夕食を食べて自由時間

18:00
朝・昼より品数は増えるものの、夕食も質素である。その後は大奥へ行ったり中奥で過ごしたり、自由時間を満喫。

夜は10時に就寝

22:00
通常は中奥の「御休息之間(ごきゅうそくのま)」で就寝。「今日は誰のところで寝ようかな~」なんてその日の気分で大奥の女性を選び放題なのかと思いきや、大奥に泊まる際は事前に連絡しておく必要があった。

徳川の世が長く続いた秘密は「健康」にあり?

早寝早起き、質素な食事。仕事の合間にはリラックスタイムを設け、ストレスを溜めないように気を付ける。もちろんイレギュラーな日もあったが、将軍は生活リズムが整っていた。医師による健康診断も欠かさず、ささいな体の変化にもいち早く気付く。頂点に立つ者は何より「健康」が資本なのだ。

今の私たちは夜10時に寝るのはもちろん、趣味の時間をとることすら難しい。加えて高カロリーで脂っぽい、胃腸に負担のかかる食事ばかり摂っていないだろうか。

徳川の世が長く続いたのは、整った生活習慣も関係があるのかもしれない。将軍に倣って、自身の生活スタイルを振り返ってみてはいかがだろう。

アイキャッチ画像:『千代田之御表 将軍宣下』著者:楊洲周延 国立国会図書館デジタルコレクションより

書いた人

大学で源氏物語を専攻していた。が、この話をしても「へーそうなんだ」以上の会話が生まれたことはないので、わざわざ誰かに話すことはない。学生時代は茶道や華道、歌舞伎などの日本文化を楽しんでいたものの、子育てに追われる今残ったのは小さな茶箱のみ。旅行によく出かけ、好きな場所は海辺のリゾート地。