梅が大好きすぎて、この季節はずっと胸が苦しいです。
梅がすずなりになっている木を見かけると早く収穫しないと〜と思ってしまいますし、スーパーの売り場で出会うたびにハッとした気持ちになります。
あの甘い香り、熟した実の美しさ。酸っぱい! と口をすぼめる梅干しがまさかこんな可憐な果実だったなんて。
初めて梅仕事をする方は皆さん驚かれます。
さて、皆さん梅仕事といえばどんなものを思い浮かべられますか?
代表的なものは、梅干し。あとは梅シロップや、梅酒ですね。
しかし、梅仕事はそれだけではなく、梅味噌、醤油漬け、甘酢漬けなど色んなバリエーションがあります。
今回私が紹介するのは「完熟梅のスパイス砂糖漬け」。
シロップと火を通さない生ジャムの間のような存在です。
とろりとした濃厚な甘味がたまりません。
そしてスパイスを一緒に漬け込むことによって、炭酸水で割るとまるでクラフトコーラのよう。和のイメージの梅仕事ですが、こんなに自由だなんてなんだか楽しい。
完熟梅のスパイス砂糖漬け
(材料)
完熟梅 500g (少し傷物でも大丈夫です。)
グラニュー糖 400g (種を取った梅の総量の80%)
シナモンスティック1本
カルダモン 6粒
クローブ 3粒
(お好みのホールスパイス:オールスパイス、バニラビーンズなど)
1.梅を綺麗に洗い、丁寧に水気を拭き取ります。ヘタを取り、キッチンペーパーをこよりのようにして水気を拭きます。
梅仕事は梅の水気をしっかり拭いて、容器や使う器具を清潔にすることが成功につながります。必ず煮沸消毒や、アルコールスプレーなどで消毒しましょう。
2.包丁で4つに切れ目を入れて種から実をはずします。手で剥いてしまっても大丈夫ですよ。
傷がある場合は大きく切り取るようにしましょう。
毎年、梅仕事をする人には梅わり器がおすすめ。種が綺麗にはずせます。
3.梅の果肉の重さをはかり、お砂糖の量を決めます。
70%以上お砂糖を入れるとカビにくくなります。おすすめは80%です。
今回は500gの果肉が取れたので、お砂糖は80%の400gにしました。
4.清潔なバット、タッパーや瓶で、梅の果肉とお砂糖を混ぜます。
最後に好みのスパイスを入れて出来上がり。
一晩冷蔵庫で寝かせ、次の日再度混ぜます。3日後くらいからが食べごろです。
果肉からどんどんエキスが溢れ、蜜状になっていきます。最初の方は、後味が少しほろ苦いですが、日にちが経つにつれどんどん馴染んでまろやかになっていきます。
冷蔵庫で2カ月保存可能。小分けにして1年冷凍もできます。
空気に触れている部分がカビやすいので、使うたび混ぜるようにしましょう。
蓋についている水気もその都度拭き取ったほうが清潔に保てます。
取り除いた梅の種はお味噌や麺つゆ、お醤油につけるのがおすすめ。ほんのり梅風味の酸味が付いた自家製調味料が出来ますよ。
炭酸で割って夏のドリンクにぴったり。スパイスが効いて、梅の酸味でコーラみたい!
バニラアイスにかけると、フルーティなデザートに。
見た目も可愛くて、ミルキーさと梅の濃厚な甘酸っぱさにうっとりします。
そして意外な使い方。私のおすすめはスライスしたトマトにかけること。
お塩もしません。トマトと梅の蜜だけ。
トマトの甘味と酸味が複雑になり、体のすみずみまで行き渡る爽やかさ。火照った体にちょうどいい。
かき氷にかけたりも良いし、冷たい麦茶に混ぜたりしても。私はプリンにかけるのも好き。
お肉の煮込み料理の隠し味に使うのも良いんです。
これはぜひ、夏の間に食べ切ってほしいシロップ。
夏のうだるような暑さの中でいただくのが一番美味しい、そんなお味です。