Travel

2023.09.20

売り切れご免の餅菓子。大阪・菊壽堂義信「高麗餅」【美味しい!美しい!あんこ銘菓名店GP!】

〝あんこ〟名店東西11店の中から、第7弾は大阪の名店「高麗屋義信」高麗餅をご紹介します。

その他の名店はこちらからどうぞ。
特集 美味しい!美味しい!あんこ銘菓店GP!

握りたてのあんを示す指の跡
菊壽堂義信の「高麗餅」大阪

求肥(ぎゅうひ)が入る小ぶりな餅菓子は上から、丹波大納言(たんばだいなごん)を使ったつぶあん、備中白小豆(びちゅうしろあずき)の白あん、抹茶を練り込んだ抹茶あん、備中小豆のこしあん、ごまを練り込んだごまあん。あんの香りが濃い! 
「お菓子は、あんが美味しくなかったらあきまへんやろ」とは17代目主人の久保昌也(まさや)さん。
「菊壽堂義信(きくじゅどうよしのぶ)」は江戸後期から続く上生菓子店。品のいい茶席菓子をつくる店として知られています。船場(せんば)に創業し、戦後現在の場所に移転。久保さんの祖父(15代目)はこれを機に家族だけの経営に転向し、代々、主人があん炊きを担うように。
「つぶあんは1升、こしあんは1升5合。うちの1回に炊く小豆の量です。よそに比べたらつぶは10分の1、こしは20分の1の量」。量が少ない=上質な小豆をひと粒ひと粒、手をかけて扱うというわけ。
あん炊きは1日に1回。「菓子屋が大きくなったらあかん」と売り切れ次第店を閉める徹底ぶりです。
「高麗餅(こうらいもち)」はそんな自慢のあんを、上生菓子を注文してから待つ間に店頭で食べてもらうために15代目が考えたお菓子。指の節を使ってほどこされる模様は、つくりたてを示す証。あんの角がピンと立ち、水気が感じられるうちにいただきましょう。
小豆の風味がしっかり主張されたつぶあんに驚き、さらさらとのどを通るこしあんに感動。中に入るトロットロの求肥も味わいに弾みをつけて、次々と口に入ってしまいます。

店のある高麗橋と贔屓の歌舞伎役者初代松本白鷗の屋号・高麗屋をかけて「高麗餅」!

5個1組750円(税込)。持ち帰りは要事前予約。専用箱はなく、上生菓子の箱に天地を明示するために包装は上掛けのみ。1組から5組(25個)まで対応、写真は2組1,500円(税込)。消費期限は当日。店内の茶席も同価格。

右/求肥は上質な餅粉を少量ずつ練り上げてつくる。この立体的な盛り付けも15代目が考案。

店舗情報

菊壽堂義信 きくじゅどうよしのぶ
住所:大阪府大阪市中央区高麗橋2-3-1
電話:06-6231-3814 
営業時間:10時~16時30分(売り切れ次第終了) 
休み:土曜・日曜・祝日

撮影/石井宏明 構成/藤田 優、後藤淳美(本誌)※本記事は雑誌『和樂(2019-2020年12・1月号)』の転載です。

Share

和樂web編集部

おすすめの記事

10代目松本幸四郎さんの平蔵で話題に!『鬼平犯科帳』物語に出合う旅【東京墨田区】

時田慎也

「唐代胡人俑-シルクロードを駆けた夢」大阪市立東洋陶磁美術館

和樂web編集部

東京vs大阪グルメの名店6選まとめ!寿司・麺・弁当、3ジャンルの料理食べ比べ

和樂web編集部

たこ焼きと明石焼の違いは?明石焼の材料、ルーツや名店もまとめて紹介!

TabiNeco

人気記事ランキング

最新号紹介

※和樂本誌ならびに和樂webに関するお問い合わせはこちら
※小学館が雑誌『和樂』およびWEBサイト『和樂web』にて運営しているInstagramの公式アカウントは「@warakumagazine」のみになります。
和樂webのロゴや名称、公式アカウントの投稿を無断使用しプレゼント企画などを行っている類似アカウントがございますが、弊社とは一切関係ないのでご注意ください。
類似アカウントから不審なDM(プレゼント当選告知)などを受け取った際は、記載されたURLにはアクセスせずDM自体を削除していただくようお願いいたします。
また被害防止のため、同アカウントのブロックをお願いいたします。

関連メディア