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2024.10.02

「今どきカフェ」と一線を画す、民藝の心宿るこだわり喫茶へ【民藝の息づく街を訪ねて・盛岡編その5】

民藝の息づく街を訪ねて・盛岡編最終回は、民藝の心が感じられる、盛岡のこだわり喫茶店をご紹介します。

「民藝の息づく街を訪ねて」シリーズ一覧はこちら

長くからの伝統を、今、次世代が引き継いでいます 盛岡の「喫茶店文化」を知る

だれもが好きな喫茶店を1軒はもっている、といわれるほど、盛岡の人にとって「喫茶店」は特別。コーヒーやお茶を楽しむのはもちろん、本を読んだりリラックスしたり、静かな時間を過ごすための場所として、市内には数多くの喫茶店が存在します。

最近では、そんな盛岡の喫茶店文化を継承している、新しい世代の店も話題。いわゆる今どきのカフェとは一線を画す、こだわりが詰まっています。
そんな独自の伝統が受け継がれていく様は、どこか民藝のあり方にも似ていて――。ていねいに淹れたハンドドリップコーヒーと、ハンドメイドのケーキとともに、豊かな時間を、ゆったりと過ごしてみてはいかがでしょうか。

伝説的喫茶店の空間はそのままに「羅針盤」

左/ボーン、ボーン…。落ち着いた空間に古時計が鳴り、レコードが流れる。ギャラリーとしての役割も果たし、ときには音楽イベントを行うことも。右/シンプルな皿に新作ケーキが映えて。中深煎りのブレンド〝オリザ〟700円と、自家製ケーキ450円~。ケーキは月ごとに季節を感じさせるものに変更。この日は、いちじくとくるみのガトーショコラ。

盛岡の名店だった「六分儀(ろくぶんぎ)」を、学生時代に通っていた現在のオーナーが引き継ぎ、2018年にオープン。店が紡いできた時間を感じてほしいと、クラシックな空間をそのまま生かしました。ひとりの時間を、ゆっくり過ごしたくなる店。

左/コーヒー豆は、華やかな香りが特徴のエチオピア産がほとんど。右/レトロな看板が目印。

【店舗情報】羅針盤

らしんばん
住所:岩手県盛岡市中ノ橋通1-4-15 
電話:019-681-8561
営業時間:10時~17時(L.O.16時30分 ※土日祝日は9時~)
休み:月曜

時間をかけて楽しみたい深煎りコーヒー「戸塚珈琲店」

左/何分も集中しながら、一杯一杯をていねいに淹れる姿には、感動すら覚える。右/オリジナルブレンド¥680、自家製チーズケーキ¥550。コーヒーに合うスイーツも追求中。カップ&ソーサーもオリジナルで制作!

盛岡の有名喫茶店「クラムボン」出身の店主が、深煎りだけど苦みのないハンドドリップのコーヒーを追求し、2021年6月にオープン。店自体は新しいが、盛岡の古きよき喫茶店の雰囲気を感じさせる、居心地のよさが早くも話題になっている。

左/豆の産地は、南米、アフリカなどさまざまだが、すべて深煎りをセレクト。右/岩手の水を、南部鉄瓶で沸かして使う。尖った苦みを出さないよう、抽出温度は85℃と低め。

【店舗情報】戸塚珈琲店

とつかこーひーてん
住所:岩手県盛岡市内丸17-11 内丸USビル1F
電話:019-658-9673
営業時間:10時~18時(ランチタイム11時~15時、L.O.17時30分)
休み:日曜、第2・第3土曜

撮影/篠原宏明 構成/湯口かおり
※本記事は雑誌『和樂(2021~2022年12・1月号)』の転載です。
※表示価格はすべて税込価格です。
※営業時間や休みなどが変更になっている場合があります。お出かけの前に最新情報を確認してください。

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和樂web編集部

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