今回解説するのは、我らが初代鎌倉将軍、源頼朝(みなもとの よりとも)様!
いやぁ、幼い頃にお会いした時の印象だけど……ああいう人をカリスマと言うんだろうな。オレ、頼朝様にいーこいーこされたり、抱っこされたりしたことあるもんねー! いーだろー!!
それから頼朝様とTwitterで再会したのも感動したなぁ。八幡宮のハトチャンをこよなく愛する将軍をよろしく。
おっと、紹介が遅れたな。鎌倉御家人・三浦胤義(みうら たねよし)が語る、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』予習シリーズ! オレが何者かは第1回参照なッ!
頼朝様と鎌倉御家人
朝朝様について、あまり鎌倉時代を知らないと、良い印象がないって人も多いと思う。「冷徹」「権力の為なら弟も殺す」「北条の神輿に担がれていただけの人」との評をよく見かける。
今回の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の発表を知って、twitterで御家人botやファンをフォローした者はちょっとびっくりしているかもしれない。
「えっ……この人たち、推しは呼び捨てなのにナチュラルに頼朝に対して様づけしてる……こわ……」
「推し御家人に対するdisには寛容なのに、頼朝disには厳しい……こわ……」
いや、わかる。そう思ってしまう事はよーくわかる。でもな、推し御家人ができると、なぜかみんな頼朝様を崇めてしまうのだ……!
なぜかというと……
みんなの恩人、頼朝様
歴史上で推し人物ができると、その人生を調べるだろ? そしてその親や兄弟、子などにも手を広げてしまう。最終的に一族箱推し、果ては鎌倉時代箱推しになってしまうのは、御家人ファンあるあるなんだ。そして鎌倉時代前期には、そこに必ず頼朝様がいる。
頼朝様が行った政策に、所領安堵(しょりょうあんど)がある。これは自分が支配する領土を、この人が治める土地ですよとを保証することなんだ。鎌倉御家人が鎌倉御家人として活躍できたのは、頼朝様がそう定めてくださったからだと言える。
だから、有力御家人の歴史を調べると、鎌倉初期にいかに頼朝様が一族を信頼し、頼ってくださり、優遇してくれたかを、これでもかと知ることになる。だから御家人ファンは頼朝様に対して「ありがてぇ……ありがてぇ……」と手を合わせるしかなくなるんだ。
みんな大好き頼朝様
これは『吾妻鏡(あずまかがみ)』を読んでるとわかってくる感覚なんだけど、鎌倉御家人みんな頼朝様のことが好きすぎるんだ。
書類は頼朝様の直筆サイン入りを欲しがるし、なにかあれば我先にと貢物をする。果ては頼朝様の着ている服を誰が貰うにふさわしいかで喧嘩が起きるほど。
まさにアイドルを応援するために全てを捧げるTO(トップオタク)を、みんな目指していた。この状況を指して「頼朝教」と宣った者もいるが、なんも反論できねぇ……。
よって「推しの推しは推し理論」で、「キャー頼朝様ステキー♡」っとなってしまう御家人ファンたちなのであった。
頼朝様は本当に血も涙もない冷血漢なのか?
「冷血漢」と「ただの神輿」は世間で言われる頼朝様の2大イメージだが……もちろんこれにはいくらでも反論できるぞ!
まず、頼朝様が冷血漢かどうか。これは施政者として時には容赦ない制裁や、鎌倉にとってよくない結果をもたらすであろう者を切り捨てる決断は必要だった、ということじゃなかろうか……。
頼朝様も時に疑心暗鬼になって、間違えて、後悔したこともあった。しかしその決断には全て「鎌倉のため」という考えが根底にあったと思う。
北条の神輿に乗っていたのは誰?
それから頼朝様は北条の神輿になっていた傀儡将軍というのは断固否定するぞ! 確かに北条氏はやたらと頼朝様の外戚であることを強調して、その名の下に権力を振るったが……。
どちらかというと、北条の神輿に乗っていたのは頼朝様ではなく尼御台(あまみだい=北条政子)じゃないかのう。……まぁ、尼御台もただ担がれていたわけじゃない。神輿の上で「そいや! そいや!」って煽りながら、すれ違う神輿に睨みを利かせ、時には担ぎ手の男を蹴っぱぐって発破かけていた。
頼朝様の正室という立場は、頼朝様の死の直後まではともかく、2代目の頼家様以降は危ういものだったし……。4代目以降は正直言って正当性はなにもな……ゲフンゴフン!
頼朝様役、大泉洋殿について
おおおおお! これは! 登場人物からも視聴者からも愛される、みんな大好きメチャモテ将軍路線で確定じゃね?
一族を平家に滅ぼされた流罪人。義時を右腕に天下を狙う
源頼朝といえば、征夷大将軍であり鎌倉幕府を開いた英雄でありますが、そこに到るまでの平家との因縁や弟・義経との確執、妻・政子との物語など歴史の教科書では語られない人間頼朝をすばらしい共演者の皆々様と共に丁寧に演じていけたらと思っております。
あああ、もう! 大泉殿の頼朝様を早く見たい!!
関連人物
父:源義朝、母:由良御前
同母兄弟:義門、希義、坊門姫
異母兄弟:義平、朝長、範頼、全成、義円、義経
正室:北条政子 妾:八重姫、亀の前、大進局
子:千鶴丸、大姫、頼家、貞暁、三幡、実朝
人物相関図:
『鎌倉殿の13人』予習にぴったり!源平合戦~鎌倉初期を相関図で解説!
▼ガイドブックもチェック
鎌倉殿の13人 前編 NHK大河ドラマ・ガイド
「鎌倉殿の13人」13人って誰のこと? 人物一覧
「鎌倉殿」とは鎌倉幕府将軍のこと。「鎌倉殿の十三人」は、鎌倉幕府の二代将軍・源頼家を支えた十三人の御家人の物語です。和樂webによる各人物の解説記事はこちら!
1. 伊豆の若武者「北条義時」(小栗旬)
2. 義時の父「北条時政」(坂東彌十郎)
3. 御家人筆頭「梶原景時」(中村獅童)
4. 頼朝の側近「比企能員」(佐藤二朗)
5. 頼朝の従者「安達盛長」(野添義弘)
6. 鎌倉幕府 軍事長官「和田義盛」(横田栄司)
7. 鎌倉幕府 行政長官「大江広元」(栗原英雄)
8. 鎌倉幕府 司法長官「三善康信」(小林隆)
9. 三浦党の惣領「三浦義澄」(佐藤B作)
10. 朝廷・坂東の事情通「中原親能」(川島潤哉)
11. 頼朝の親戚「二階堂行政」(野仲イサオ)
12. 文武両道「足立遠元」(大野泰広)
13. 下野国の名門武士「八田知家」(市原隼人)
▼スタッフおすすめ書籍
源頼朝の世界 (朝日文庫)