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2021.06.21

違反したら妻子も成敗された!武士の功名にならない「首取り」ってどういうもの?

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戦国時代などの合戦時、敵方の人物の首を取ってきて報告すると褒美がもらえました。先陣を切って敵陣に攻め込むのと同様、手柄として扱われていたのです。

でも、そんな褒められるはずの敵の首なのに、めちゃくちゃ叱られて、周囲からも冷たい視線が突き刺さりまくる、なんてことも……なんでよ~!?

今回は、功名とならなかった首取りについて、ご紹介いたします。

要するに、卑怯な振る舞いをするな、ってことだった

戦国時代はわりと何でもあり、というイメージもあるのですが、明らかに卑怯な振る舞いはかなり厳しく叱られたよう。首を取ってきて功名にならないのは、どれもそうしたパターンです。

奪首(ばいくび)

味方の誰かが取った首を横取りしたもの。他人がやった仕事を、さも自分の手柄のようにアピールするのは、そりゃいつの時代だってバレたら総スカン。
どころか、武田家においてこの奪首に及んだ者は本人のみならず妻子(いなければ親)までが成敗されたそう。

武田家は厳しいんだな……

味方討(みかたうち)

文字そのまま、味方の首を取ってくること。っていうか、なんでそんなことするのよ、叱られて当たり前でしょ……。

うっかりさんだったのかな!?

これも武田家においては本人と妻子(いなければ親)が成敗されたといいます。

作首(つくりくび)

取ってきた首に細工をして、より高い身分の人に見せかけようとしたもの。バレなきゃよかったんでしょうが、残念。

写真がなかった時代ならでは。

功名となる首にもランク付けがあり、高い身分の首ほど評価の対象になったからなのだそう。こちらは成敗まではされなかったようです。

そのあたりの裏事情についてはこちらの記事をご覧ください。
生首に化粧するのが女性の仕事?戦国時代の戦いは女性も大忙し!

こういうものはだいたい非難ごうごう

女性や子どもの首・病人の首を取るのは、卑怯な振る舞いとしてかなり非難されたようです。
また、すでに討ち死にしている人の首、他の人があえて首を取らなかった(さらに高い評価を得るため、別の敵に向かっていった)ところにやってきてチャンスとばかりに楽して手に入れたものも、いくつかの例外を除いて名誉とはみなされなかったようです。

アイキャッチ画像:歌川豊国(初代)『片岡仁左衛門』 メトロポリタン美術館より

主な参考文献:
・鈴木眞哉『刀と首取り 戦国合戦異説』平凡社新書

▼こちらの記事もあわせてどうぞ!
戦国時代の家臣はどのように評価された?首実験の作法や「ズル」も紹介

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人生の総ては必然と信じる不動明王ファン。経歴に節操がなさすぎて不思議がられることがよくあるが、一期は夢よ、ただ狂へ。熱しやすく冷めにくく、息切れするよ、と周囲が呆れるような劫火の情熱を平気で10年単位で保てる高性能魔法瓶。日本刀剣は永遠の恋人。愛ハムスターに日々齧られるのが本業。

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編集長から「先入観に支配された女」というリングネームをもらうくらい頭がかっちかち。頭だけじゃなく体も硬く、一番欲しいのは柔軟性。音声コンテンツ『日本文化はロックだぜ!ベイベ』『アートラジオ』担当。ポテチと噛みごたえのあるグミが好きです。

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