おい、坊主! なんて小さな男の子に呼びかける場面、ありますよね。実際に目にすることは少なくなってしまったかもしれませんが、昭和の時代には日常の風景でした。
あれ? でもなんで男の子を「坊主」って呼ぶのでしょう? お坊さんとはあまり関係ないように思えるけれど……。
気になりすぎて、調べちゃいました!
坊主ってどういう意味?
その前に、そもそも坊主ってどういう意味なのでしょうか?
坊主とは、もともと僧房の主人を指す言葉でした。房の主、で「坊(房)主」、だったのです。
室町時代以降に対象が広くなり、お坊さん全般や、お坊さんのように髪を剃ったり短く刈ったりした人のことも指すようになりました。その後も意味は拡大していき、表面を覆うものがない様子、釣りで1匹も釣れなかったこと、月が描かれている花札の20点札のことなども「坊主」と呼ぶようになっていきました。また、仲間内での隠語にも使われているようです。
女の子の「坊主」もいた!?
さて、本題。どうして男の子のことを坊主と呼ぶのでしょう?
それは、昔、幼児が頭髪を剃る習慣があったから。お坊さんのようだ、という意味だったのですね。
そのため、男の子だけでなく、女の子の呼称として使われたこともあったそうです。びっくり。
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アイキャッチ画像:窪 俊満『荏柄天神 歌橋』メトロポリタン美術館より
参考文献:
・『小学館 全文全訳古語辞典』小学館
・『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館
・『世界大百科事典』平凡社
・『デジタル大辞泉』小学館
・『国史大辞典』吉川弘文館