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2021.11.27

お歳暮はいつ、誰に、何を贈る? 意外な歴史と定番アイテムを3分で解説

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最近では冬ギフトとも呼ばれる「お歳暮(せいぼ)」。年末の贈り物のことです。
お歳暮って、いつ、誰に、何を贈ればいいのでしょう。

確かに悩ましい…….。

結婚したら実家には贈る? それより仕事の上司に贈るべき? おつきあいの形は人それぞれで、一概には言えませんが……。お歳暮の歴史をたどってみると、答えが見つかるかもしれません。

お歳暮のカタログを見ると、自分に贈りたくなっちゃいます!

「もらっても食べきれないよ!」 というアイテムが実はお歳暮の定番だったという驚きの事実と、その理由にも迫ります。

お歳暮はいつ贈る?

お歳暮という言葉には「年の暮れ」、つまり「年末」という意味があります。
いつから年末というかはっきりした決まりはありませんが、12月13日(地域によっては8日)が「正月事始め」といって、すす払い(大掃除)をしてお正月の準備を始める日にあたります。
現在でもお歳暮は、年末ムードが高まってくるそのあたり、12月13~20日ごろに届けるのがよいとされています。

私は関西に住んでいるのですが、12月半ば頃の印象ですね。

ただし、関東ではもっと早くなってきていて、11月下旬~12月上旬に贈ることも増えているのだとか。お歳暮を贈りあっているうちに、相手より早め、早めにとなっていったのかもしれませんね。

地域によって違うんですね!

お歳暮は誰に贈る?

もともとは親や親戚へ、大晦日またはお正月に食べる物を届けたのがお歳暮のルーツ。
現在では日ごろお世話になっている人へ、お礼として贈ります。

例えば仕事でお世話になっている人というのは、親方と弟子のような関係をイメージすると分かりやすいかもしれません。日々、仕事を教えてもらっている指導者などがあたります。
その場合、どちらかが異動や転勤になったら、そのタイミングでお歳暮を贈るのをやめるのが一般的です。お世話になってから3年、7年などを区切りのいい年数として、やめることもあります。
また、お歳暮はお祝いではなくお礼なので、相手が喪中でも贈ることができます。

様々な考え方がある現代では、辞め時とか、相手が負担にならないかとか、色々考えちゃいますよね~

仕事の取引先などへ年末のご挨拶として贈る場合もありますが、最近はコンプライアンスでお歳暮を受け取らない企業もあるので、少し注意が必要です。

お歳暮は何を贈る?

お正月のごちそうを年末に贈ったのが始まりなので、今でも食べ物を贈ることが多いです。お酒、ジュース、お菓子、ハム、冷凍のお肉などが定番。

特に東日本では鮭、西日本では鰤(ぶり)を「年取り魚」、「正月魚」と呼んで年越しに食べたことから、お歳暮には新巻鮭(あらまきじゃけ)や塩鰤を贈る伝統もあります。
新巻鮭というのは内臓を抜いて塩漬けにした鮭のことで、荒縄を巻いて干すことから、荒巻鮭とも書きます。

お正月に「なまぐさもの」を食べるのは、においが魔除けにもなると考えられていたから。また、凶事にあたって身を慎み、肉や魚を食べない「精進」の期間ではないということであり、「ハレの日」の証でした。

そんな意味があったのですね!

お歳暮につける熨斗(のし)は、もともとは鮑(あわび)を干したもの。日持ちのするなまぐさものとして利用されていました

こうした歴史を考えれば、年末に手土産を持って実家に帰省するのも、お歳暮のうちと言えるのかもしれません。
なぜならお歳暮は「ともに同じものを食べる」ことに意味があったからです。

かつてお歳暮の定番だった新巻鮭は、「もらっても食べきれない」と思いませんか。実はそれも大事なポイント。

えっ、どういうことだろう?

お歳暮の新巻鮭はどこへ?

親もとを離れてからも、お正月くらいはと帰省をする人が多いのではないでしょうか。一緒に食事をして、「冷凍庫に入らないから」と断っているのに、帰りにたくさんのお餅を持たされたりして。

あります!あります!

「同じ釜の飯を食う」ということわざがあるように、人は同じものを、ともに食べることで絆としてきました。
だから、年末に届いた新巻鮭(あるいは塩鰤)は、半身をお返しにしたり、切り身にして周囲に配ったりしたのです。
年の瀬になると近所からお餅が届けられたりするのも、同じ理由。

なるほど~

人と会って一緒に食事をする、そんな当たり前のことが、当たり前でなくなった今。
お歳暮の意味に、改めて誰かと同じものを、ともに食べるということの尊さを感じます。
お正月にいろいろな家の冷凍庫をめぐる、鮭の切り身や餅に幸あれ。

元々は、共に同じ物を食べて、思いを共有する風習。そう考えると、お歳暮の文化もいいものですね。

参考書籍:
平成ニッポン生活便利帳
世界大百科事典
デジタル大辞泉

書いた人

岩手生まれ、埼玉在住。書店アルバイト、足袋靴下メーカー営業事務、小学校の通知表ソフトのユーザー対応などを経て、Web編集&ライター業へ。趣味は茶の湯と少女マンガ、好きな言葉は「くう ねる あそぶ」。30代は子育てに身も心も捧げたが、40代はもう捧げきれないと自分自身へIターンを計画中。

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幼い頃より舞台芸術に親しみながら育つ。一時勘違いして舞台女優を目指すが、挫折。育児雑誌や外国人向け雑誌、古民家保存雑誌などに参加。能、狂言、文楽、歌舞伎、上方落語をこよなく愛す。ずっと浮世離れしていると言われ続けていて、多分一生直らないと諦めている。