Culture
2021.12.14

おせち料理に入っている「膾」由来や歴史を紹介

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おせちにも入っている「膾」、何と読むかわかりますか?

答えは、「なます」です!

何だかイメージとは違いますよね?

なます。なんとなく分かっているようで分かっていない、なます。なますってなんざます?

どうしてこの漢字なの?

いかめしい印象の漢字ですが、これは元々の調理法が関係しています。古くは鳥獣肉を使う料理だったようです。生肉(なましし)から、なますという呼び方になったんだとか。誕生したのは紀元前・春秋時代の中国で、生肉を細かく刻んだ、今で言うユッケのようなイメージですね。孔子も好物だったようです。

えええええ! なますって本来は生肉だったんだ!!

日本では、奈良時代に書かれた『日本書紀』や『万葉集』に登場しています。古い歴史のある料理なんですね!

えっ、あの武将の得意料理だった?

中国と同様に肉主体だったのが、平安時代後期には魚肉と野菜を細かく刻んであえた物に変化していったようです。その為、「鱠」という漢字も使われています。

魚バージョンの字もあったのか。

この膾料理、あの有名な武将が好んで作っていたのはご存知ですか? こちらの記事をお読み下さい!

クイズ!料理男子だった戦国武将はだ~れだ?ヒントは目立つの大好き、ド派手なあの人

いつしか現在の膾に

次第に原材料が魚肉を使ったものに限らず、酢を使用した和え物のことを、膾と呼ぶようになります。こうして、野菜や果物だけを用いる「精進膾」が生まれました。

私はこちらのイメージが強かったです。

現在、お節料理で作られている紅白なますは、この精進膾ですね。

我家の膾のレシピは、こんなのです~

結婚した時、料理がまるで、できなかった私。最初に義母から教えてもらったお節料理が、実は膾なんです。なかなか味が決まらなかったのが、何十年経って、ようやく我家の味になりつつあります。お節料理は、奥が深い…….。

私も一人暮らしを始めてから、いきなり料理を作り始めた派です。

義母直伝の調味料が、煮干し入りの酢です。材料と和える1週間程前から酢の中に煮干しを入れておきます。そうすると、コクがあってなめらかな味の酢になります。
漬けていた煮干しは取り出しますが、何か別の料理に使ってもいいですね。

大根とにんじんを細切りにして塩をふりかけてしばらくおき、水気をしぼります。しぼった材料に酢を入れて和えます。最後に、干し柿を細かく切って和えます。また、しめ鯖も切って一緒に合わせるのは、関西風かもしれません。これは、どうも元々の膾の名残とも言われています。

(材料)4人分

干し柿 2個
しめ鯖 適量
大根  4分の1本
人参  2分の1本
塩   小さじ2分の1

☆調味料
砂糖  大さじ1と2分の1
酢   大さじ2
塩   小さじ3分の1

皆さんのご家庭の膾はどんな感じでしょうか? お正月に縁起物の膾を頂いて、来年は良い年にしたいですね。

参考文献:『デジタル大辞泉』小学館 『百科事典マイペディア』株式会社平凡社
アイキャッチ画像:メトロポリタン美術館 蹄斎 北馬画

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書いた人

幼い頃より舞台芸術に親しみながら育つ。一時勘違いして舞台女優を目指すが、挫折。育児雑誌や外国人向け雑誌、古民家保存雑誌などに参加。能、狂言、文楽、歌舞伎、上方落語をこよなく愛す。ずっと浮世離れしていると言われ続けていて、多分一生直らないと諦めている。

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人生の総ては必然と信じる不動明王ファン。経歴に節操がなさすぎて不思議がられることがよくあるが、一期は夢よ、ただ狂へ。熱しやすく冷めにくく、息切れするよ、と周囲が呆れるような劫火の情熱を平気で10年単位で保てる高性能魔法瓶。日本刀剣は永遠の恋人。愛ハムスターに日々齧られるのが本業。