本の辺境・異境を物ともせずに旅に出る和樂スタッフが、「自分史上最高のご飯のお供」を、自前のお茶碗に盛ってプレゼン。故郷を思い出す味、取材で知った味…個性あふれる和樂スタッフの生の声をお楽しみください。
「丸赤のいか塩辛」
ご飯に塩辛? そもそもその発想がなかった! と新居さんに伝えると「私もよ」との返事が。
「取材で旅館に泊まると、海沿いの地域だと朝食にも塩辛が出てきたりするでしょう? ごはんの湯気で生温かくなった塩辛のにおいが私はちょっと苦手。塩辛そのものは大好きなので、ご飯にも合うものってないのかな、と思っていたんです」
そこで巡り合ったのが、丸赤(まるあか)の塩辛でした。この店の塩辛には、いかの「皮あり」「皮なし」の2種類があるのですが、新居さんがごはんのおともに選んでいるのは皮のないバージョン。これは子供から老人まで食べられるような塩辛に、と近年開発された丸赤特製の新しい商品なのでした。
ゲソにある吸盤などの口あたりを気にする人のために、皮を身から外して、お刺身のように切りそろえてあります。その淡白な身の味に合わせて、漬け液も辛さは控え目。ワタを鰹だしとみりんでのばしています。鰹だしの効いた「皮なし」の塩辛は、お酒というよりはご飯のお供のほうが相性はいいのかも。さすが、珍味を愛する人は目のつけどころが違います。
「丸赤は産地直送の魚や、素材にこだわった干物で有名なお店。私が足を運ぶようになったきっかけは、ここで鰹を買うようになったから。たたき用に生の鰹を予約をしておくと、高知贔屓の私もびっくりするような脂ののった鰹に加えて、ねぎ、生姜、にんにく、大葉などの薬味を完璧にそろえておいてくれるのです。かゆいところに手が届く…。そんな心遣いに感動しています」
◆丸赤
住所 東京都文京区湯島3-39-9
公式サイト
選・歌舞伎担当 新居典子
新米特集 全10回
第1回 ちりめん山椒
第2回 ふくやの明太子
第3回 生あみ
第4回 養肝漬
第5回 いか塩辛
第6回 細切り柚子昆布
第7回 金糸瓜の粕漬
第8回 特白とろろ
第9回 牛肉茶漬
第10回 かえりちりめん