Culture

2026.07.09

バレエの「伝統」と「現代」が交差。400年の歴史をアップデートする挑戦的な舞台『POLA presents BALLET TheNewClassic 2026』開催

400年以上の歴史を紡いできたクラシックバレエ。その完成された「型」と美の世界に現代のクリエイティブを融合させ、新たな可能性を提示する公演が今夏、幕を開けます。2026年7月30日(木)から8月2日(日)まで、新国立劇場・中劇場で開催される『POLA presents BALLET TheNewClassic 2026』。過去2回の開催でいずれもチケットが完売している人気シリーズの待望の第3弾です。伝統の枠組みを超え、新たな美学を提示する今作の見どころと、その全貌に迫ります。

16歳の役をレジェンドが踊る。現代の価値観で再解釈される古典名作

ポーラ(POLA)がメインスポンサーを務めるバレエ公演『POLA presents BALLET TheNewClassic 2026(以下、BTNC)』。
本公演は、写真家・井上ユミコ氏がクリエイティブディレクター、バレエダンサー・堀内將平氏がプロデューサーを務め、まさにバレエの“現在”を牽引する表現者たちによって創り上げられます。

(左)写真家・井上ユミコ氏 (C)Makoto Ebi、 (右)堀内將平氏 (C)Yumiko Inoue

バレエ界の至宝・中村祥子氏、世界的人気を誇るライジングスター・三宅啄未氏をはじめとする国内外の第一線で活躍する12名のトップバレエダンサーが東京に集結し、新たなキャスト・クリエイターとともに進化した全8作品が上演されます。

クラシックバレエを現代の価値観で大胆に再構築し、その可能性を押し広げる本公演。
たとえば『コッペリア』では、AIとの恋愛をテーマに現代的な解釈を施し、実際にAIが書いた脚本をもとに、幻想と現実、プログラムと感情の境界を舞台上に描き出します。

また、チャイコフスキーの名作『眠れる森の美女』の「ローズ・アダージョ」では、これまで“16歳の少女”として描かれてきたオーロラ姫を中村祥子氏が踊ります。年齢によって役が規定されるというバレエ界のステレオタイプに一石を投じる、挑戦的なアプローチです。

2024年『別れのパ・ド・ドゥ』 中村祥子 中島瑞生 (C)Fukuko Iiyama

出演者には、近年ファッションアイコンとしても注目を集める飯島望未氏(新作『444』に出演)や、正統派クラシックの美を体現する日髙世菜氏(『白鳥の湖』に出演)の追加出演も発表され、バレエの“現在”を体現する豪華な顔ぶれが揃いました。

飯島望未 ダンサー (C)Novembre dancer

日髙世菜 ダンサー (C)Yumiko Inoue

第2幕「BALLET Lesson」では12名のダンサーが総出演し、クラシックバレエの基礎と技巧、それぞれの多彩な個性を舞台上で解き放ちます。

世界観を視覚的に体現。身体を解放するミニマルな衣装

舞台の視覚的世界観を支える衣裳にも、現代のファッションシーンを牽引する才能が集結しています。

衣装デザインを担当するのは、ロンドンのCentral Saint Martins出身の「KAKAN(工藤花観)」と、Maison Martin Margiela出身の砂川卓也氏が手がける「mister it.」。KAKANが歴史や芸術文化から着想を得たニットデザインで第1幕の衣装を手がける一方、mister it.はダンサーの動きを解放するミニマルなシルエットを追求。スタイリストの小嶋智子氏が両者の衣装監修を担うことで、ダンサーの身体美と現代ファッションが融合し、一貫した世界観が舞台全体に宿ります。

世界最多のバレエ人口が抱える「衣装の廃棄問題」にアートで光をあてる

さらに今回のBTNCでは、舞台芸術における課題をアートとして表現する画期的な試みが行われます。

現在、日本には全国に4,000以上のバレエ教室があり、学習者は約25万人と世界最多を誇ります。しかしその華やかな文化の裏側で、発表会やコンクールのたびに制作され、役目を終えた衣裳の保管や廃棄はバレエ界の課題のひとつとなっていました。

この問題に着目し、公演会場のホワイエ(ロビー)では、花道家・上野雄次氏が手がけるインスタレーション作品が展示されます。花という枠にとどまらず、あらゆる物質に生命を与えてきた上野氏の表現により、使われなくなったバレエ衣装を素材として大胆に再構築。一度は役目を終えた衣装に宿る歴史や記憶を受け継ぎながら、劇場を彩る新たなアート作品へと生まれ変わらせます。
舞台上の身体表現と、ホワイエに広がる空間芸術。これらが美しく呼応し、鑑賞体験を劇場全体へと広げていきます。

バレエの歴史へのリスペクトと現代のクリエイティブを融合し、次の時代の「新しいクラシック」を創り出そうとする本公演。
伝統が未来へとつながる瞬間を、ぜひ劇場で。

公演概要

『POLA presents BALLET TheNewClassic 2026』
日程:2026年7月30日(木)〜8月2日(日)
会場:新国立劇場・中劇場

上演プログラム:
『眠れる森の美女』より ローズ・アダージョ 中村祥子 ほか
『444』 振付:リオン・ワトリー 出演:飯島望未
『Charles』 出演:吉山シャール・ルイ
『ドン・キホーテ』より グラン・パ・ド・ドゥ 佐々晴香 / 太田倫功 ソ・ユンジョン / 三宅啄未
『コッペリア』横山瑠華 / 南江祐生
『Every Time I Feel The Spirit』 振付:ウィリアム・デュガン 出演:三森健太朗
『白鳥の湖』よりアダージョ 日髙世菜 / 中島瑞生
『BALLET Lesson』 12名総出演

クリエイティブディレクター:井上ユミコ(ALEXANDRE)
プロデューサー:堀内將平(NewClassic)
出 演:
・飯島望未 K-BALLET TOKYO プリンシパル
・太田倫功 ボルドー・オペラ座バレエ団 エトワール
・佐々晴香 ベルリン国立バレエ団 プリンシパル
・ソ・ユンジョン アメリカン・バレエ・シアター アーティスト
・中島瑞生 新国立劇場バレエ団 ファースト・アーティスト
・中村祥子 K-BALLET TOKYO 名誉プリンシパル
・南江祐生 東京バレエ団 ソリスト
・日髙世菜 K-BALLET TOKYO プリンシパル
・三森健太朗 ウィーン国立バレエ団 プリンシパル
・三宅啄未 アメリカン・バレエ・シアター ソリスト
・横山瑠華 テューリンゲン州立バレエ プリンシパル
・吉山シャール・ルイ チューリッヒ・バレエ プリンシパル
衣装デザイン:KAKAN(工藤花観)、mister it.(砂川卓也)
衣装監修:小嶋智子
照明・空間デザイン:久松夕香
会場装花:上野雄次
ピアノ:秦絢子 
チェロ:大宮理人 
作曲(『444』『コッペリア』):Shaun Kono-Peck
宣伝美術:石井勇一(OTUA)
メインスポンサー:株式会社ポーラ
主 催:「BALLET TheNewClassic」実行委員会

【公式サイト】
https://www.balletthenewclassic.tokyo/

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和樂web編集部

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