そもそも「畳」は、どうしてこの漢字なの?
畳(たたみ)を辞書で引くと、「たたむこと」とあります。畳の原型は、板張りの床の上に敷いて使う敷物で、柔らかく巻いてしまうことができたそうです。なるほど、だからこの漢字になった訳ですね。
平安時代になると、部屋全体に敷き詰めるタイプではなく、必要な場所だけに敷く「可動式の家具(座布団)」の畳が現れます。大河ドラマ『光る君へ』でも、登場人物が使用していましたね。室町時代になって書院造(しょいんづくり)※1の建築様式になり、部屋全体に畳が敷かれるようになったようです。
ではなぜ、畳のへりを踏んだらだめなの?
畳は平安時代の貴族だけが座る特別なアイテムでした。畳の端につけるへり(正式名称 畳縁)には厳しいルールがあり、身分の高い人ほど豪華な模様に。畳のへりは、身分の上下を示す大切な境界線だったのです!そのため、目上の人の畳のへりを踏むことは大変な失礼にあたるので、「踏んではいけない」作法として受け継がれたと考えられます。
なんと、命を守るためでもあった?
別の説としては、戦国時代、武士は忍者が床下に隠れて襲ってくる危険性があったので、へりを踏むのを避けたというもの。畳と畳の間から刃物で突かれることを想定して、命を守っていたのですね。この知恵の名残が現代でも受け継がれてきたのかもしれません。
茶道の世界では、畳のへりは日常の「俗世」と非日常の「聖地」を隔てる結界。亭主※2と客を分ける境界線にもなります。そのため、その境界線を踏むことは許されないとされています。「畳のへりを踏むな」の理由を調べてみると、長い歴史を通して伝わってきた作法だということが、わかりました。
参考文献:『紫式部と源氏物語』株式会社メディアソフト、『世界大百科』平凡社、『日本大百科全集』小学館
アイキャッチ:『幕府年中行事』国立国会図書館デジタルコレクション

