東京藝術大学大学美術館 ~6/21
「NHK日曜美術館50年展」
テレビ番組ならではの美術の楽しみ方が展覧会に
毎週欠かさず観ている人も多いのではないでしょうか、NHKの「日曜美術館」。昭和51(1976)年4月の放送開始から2500回を超える長寿番組です。今年で50年を迎えるにあたって、記念の展覧会が開催されます。
これまで番組に登場した古今東西の作家や、120点以上の名品が紹介されるわけですが、面白いのは、「テレビ番組」という眼を通して美術を見直すことができること。「何が出品されているか」より、「そのとき、この作品はどう語られていたか」を辿れることが楽しいのです。
たとえば、ナビゲーターとして登場した村上隆(むらかみたかし)、大野一雄(おおのかずお)、井浦新(いうらあらた)の言葉によって、縄文土器・土偶、伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)、曾我蕭白(そがしょうはく)、葛飾北斎の魅力を再発見する。アトリエや工房を訪れた映像の中に、画家や職人の生き方を感じる。番組によって発掘されたアーティストの作品からも、時代によって変遷する美術との関わり方に気づかされることでしょう。
昭和55(1980)年放送の、岡本太郎(おかもとたろう)がピカソについて語っている番組映像とともに、『ゲルニカ』を原寸大高精細映像で展示するという、最新の鑑賞体験にも期待が高まります。コアな“ニチビ”ファンはもちろんのこと、美術初心者にも強くおすすめしたい、この春の注目展です。
現代人の心の奥底の痛みを描く

番組での紹介をきっかけに、世に知られるようになった作家も多い。なかでも石田徹也(いしだてつや)は、2005年に31歳の若さで急逝。その翌年に、有志により開かれた展覧会と遺作集によって、注目を集めた。
スタジオに作品を持ち込んだ時代も

放送開始当時は「私と○○」という形で、ゲストが作家と作品を紹介していた。哲学者の矢内原伊作(やないはらいさく)は、自身がモデルになったジャコメッティ作品について語り、スタジオで作品とモデルの当人が並ぶという貴重な映像に。
セザンヌの心の中がわかった?

音楽評論家の吉田秀和(よしだひでかず)は、1996年に番組で本作について、「自然の中にあるものを再現したような絵であるどころか、彼が求めていたあるいは心の中でみていたあるファンタスティックな世界の絵画的実現だ」と語った。
奇想の絵師もお世話になりました

日本美術好きとしても知られる俳優の井浦新は、2013年から約5年間番組の司会を務めた。江戸絵画、なかでも奇想の絵師については特に熱く語って、ブームを盛り上げた。曾我蕭白もそのひとり。

東京藝術大学大学美術館 DATA
住所:東京都台東区上野公園12-8
電話:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで。
休館日:月曜日、入学試験期間、展示替え期間、年末年始
公式サイト:https://museum.geidai.ac.jp/
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