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サッカー観戦にオクトーバーフェスト! 蘭乃はなの着物旅【ミュンヘン編】
粋な着物で、パリの街歩き
私にとって初めてのフランス旅。ルーブル美術館前の三角オブジェやエッフェル塔といった定番の観光スポットはもちろん、パリでは「好きな映画の名所巡り」も楽しみました!
写真は『ポンヌフの恋人』ロケ地のポン・ヌフ橋。映画にも出てくるパリの地下鉄の通路が本当にアーチになっていて興奮したり、『Before Sunset』に出てくる書店[SHAKESPEARE AND COMPANY]にも行ってお土産に本を買ったりして、とっっっても楽しかったです!
1月に公開になる、私が主演を務める映画『TOKYO RED〜鉛丹』では、東京の街を歩く鉛丹色のドレスを着た女性を演じているので、そのオマージュとして鉛丹色に似た着物を着てパリの街を歩いてみました。題して『PARIS RED〜和樂』です!
沢山歩いてから入ったカフェのテラスでカフェ・オ・レを一気飲み!美味しかった~。喫茶でもお食事でも石畳のテラスで頂くシチュエーションに心ときめきました。気候も過ごしやすくてラッキーでした!
この日の着物は、母が40年ほど前に誂えた型染め小紋です。初めて見た時は「し、渋すぎる……」と思いましたが、着てみると全然違う印象で、可愛い中に粋なスパイスもあって、瞬く間にお気に入りに!
沢山歩く日はカフェ草履。台が低反発素材になっているので足に優しく疲れ知らずです。帯は知人から譲り受けたもの。合わせやすいので頻繁に締めていますが、綴織なので大事にしないと……! 童(唐子?)の絵が可愛いですよね。最近『銀太郎さんお頼み申す』という着物漫画にハマっているのですが、その中で「これは童の絵よ!」「いいえ唐子よ!」と着物の絵についてプロたちが言い合うんです。それぞれの着物愛が伝わってくる大好きなシーンですし、着物の解釈はその人に委ねられる部分もあるのだなと安心します。
日本の伝統が詰まった、クラシックな装い
こちらは母が結納の時に誂えた訪問着と帯です。華やかで大好きな組み合わせで、もう何度も友人の結婚式や一門の新年会などのお祝いごとの際に着用しています。
この日はパリの星つきレストラン「タイユバン・パリ」にお食事にいきました。お店の伝統と格式を重んじて華やかな装いに。というか実は“パリの星つきレストラン”にかなり身構えていたので訪問着で行った、と言うが正直なところです(笑)。
レストランでは素晴らしいおもてなしをうけ、お料理も堪能しました! 目を瞑ると全てのお料理が思い出されます。それくらい美味しかったです!
せっかくだからこの着物でエッフェル塔まで行こう!ということで、お食事後にエッフェル塔のふもとまで行きました。公園には整備された芝生や花壇、それを眺めてゆっくり座れるベンチもあり、風をうけて散歩するだけでウキウキしました。キャンディが可愛くて購入するか迷いましたがお腹いっぱいすぎて断念(笑)。
パリの人たちは自由でナチュラルで人の目を気にしないので、私もとても居心地良く過ごしました。地域によって少しずつ魅力が違うのもまた素敵で、パリを愛する人が多いことに納得! 今回の滞在でパリが大好きになったので、絶対にまた訪れようと思います。
海外の方も愛する日本文化を大切に
ミュンヘンでは古物を、パリでは母から譲り受けた着物を着た「蘭乃はなの着物旅」。どちらの装いも、裏テーマはSDGs! 長く大切に着られることも着物の魅力のひとつですし、箪笥で眠っていた着物を私が着ることで元の持ち主が喜んでくれることも嬉しいです。
一方で全国の職人さんを守るためにも、私にもできる範囲で新調の着物を誂えたいとも思いますし、もっともっと多くの人にとって着物が身近なオシャレになるよう発信を続けていきたいと思っています。
そして、パリでもミュンヘンでも「一緒に写真撮って!」と現地の方や観光でいらした方からお声掛けいただいたり、遠巻きに注目されたりしているのを感じました。「あなたの顔や雰囲気はとっても素敵よ!」と熱烈なお言葉をくださったマダムや、「日本に留学していた」「日本文化を研究していた」などと話しかけてくださった方も。これほどまでに愛される日本文化を、日本人である私自身がもっと大切に愛でていこう、と決意したパリの旅でした。