日本美を根底に。「叶 匠壽庵」のあゆみ
「叶 匠壽庵」の創業者・芝田清次(しばたせいじ)氏の前職は、大津市役所の観光課職員でした。食を通じて滋賀を盛り上げることを志し、和菓子界に転身。昭和33(1958)年に創業、丹波大納言小豆に羽二重(はぶたえ)餅をあわせた棹(さお)菓子「あも」で評価を得て、商いを軌道にのせます。「あも」とは宮中の女房言葉で餅の意味で、そこに着目したのが芝田氏のすごさ。その後も額田王(ぬかたのおおきみ)が近江の情景を詠んだ恋歌に由来した「標野(しめの)」など、日本美を根底に近江の歴史や文化を菓子に刻みました。
百人一首の聖地・近江神宮の協力のもと、斬新なコラボもなかが完成
50年を超すロングセラー「あも」の新しい味わい方として考案された「あも歌留多(かるた) 」。もなか種にデザインされたのは、近江神宮が所蔵する高松宮家(たかまつのみやけ)ゆかりの小倉百人一首です。古都・近江大津宮(おうみおおつのみや)跡(滋賀県大津市)に鎮座する近江神宮は第38代天智(てんじ)天皇を祀り、天智天皇は百人一首の第一首の歌人でもある。最上の条件がそろって、百人一首のもなか「あも歌留多」が実現したのは、「叶 匠壽庵」が一貫して地元大津市とともに歩んできた確かな歴史があるからです。
もなかで「あも」をはさむ! 趣向を変えて、おいしさ広がる
「あも歌留多」の食べ方は、とてもシンプル。もなかの種は2枚1組で用意されているので、切った「あも」をはさむだけ。「あも」を切る厚みはお好みですが、通常よりも薄めに切ったほうが、もなかの軽やかな食感は生きるよう。
和菓子界で最高といわれる滋賀県産糯(もち)米を使用したもなかの種は、封を開けたときから香ばしい匂い! 糯米の風味とサクサクとした歯触り、とろける餅といくつものおいしさが重なります。
温かいお茶と菓子に心が落ち着くこの時期、「あも歌留多」が織りなす新しい味わいをお楽しみください。
「あも歌留多」は「あも」とセットで楽しんで
「あも歌留多(最中種)」はもなかの種が2枚1組で、1箱に5組入。1箱で別売りの「あも」半棹分を味わうつくりに。現在発売中の絵柄は26首分で、季節にあわせた百人一首が入り、絵柄は箱を開けたときのお楽しみ。時節に応じた特別な絵柄も数量限定で登場し、干支(えと)柄は年末年始に登場する人気の品です。
問い合わせ先/叶 匠壽庵 お客様センター 0120・257・310
●価格表記は税込価格です。
撮影/石井宏明 スタイリスト/城 素穂 構成/藤田優
※本記事は『和樂』2023年12月・2024年1月号の転載です