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2025.04.07

「ポッピンを吹く娘」は江戸のインフルエンサーだった!? 大河ドラマ「べらぼう」を100倍楽しむAtoZ【P】

吉原に生まれ、自力で江戸の〝メディア王〟となった男・蔦屋重三郎(つたやじゅうざぶろう)の仕事からプライベートまでを、AからZで始まる26の項目で解説するシリーズ【大河ドラマ「べらぼう」を100倍楽しむAtoZ】。今回は「P=ポッピンを吹く娘」をご紹介します! Zまで毎日更新中! 明日もお楽しみに。

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蔦重AtoZ
P=「ポッピンを吹く娘」は〝お江戸ファッション〟のリーダーだった


浮世絵の美人画を喜んで手に入れようとしていたのは、男性だけではありません。むしろ女性たちのほうが、新作が発売されるやいなや店頭に駆け付け、すみずみまで熱心に見ていたといわれます。

その理由は、美人画に描かれた女性の髪形や簪(かんざし)などの装飾品、きものの色や柄、着こなしが、流行の最前線だったから。流行やおしゃれに目がない女性たちの心をくすぐる絵という一面があったのです。

歌麿の『ポッピンを吹く娘』はその最たるもの。若く美しい町娘の絵に憧れた市井(しせい)の女性たちは、われ先に真似をしていたといいます。

▼美人画についてはこちら
浮世絵の3大テーマの一つ「美人画」とは?描いた絵師も紹介!

浮世絵美人画は江戸時代の流行の最先端!

『婦女人相十品 ポッピンを吹く娘(ふじょにんそうじっぽん ぽっぴんをふくむすめ)』 喜多川歌麿 大判錦絵 寛政4~5(1792~1793)年 メトロポリタン美術館 The Metropolitan Museum of Art, H. O. Havemeyer Collection, Bequest of Mrs. H. O. Havemeyer, 1929, JP1662

つまり、美人画はファッション雑誌であり、ポスターであり、モデルはインフルエンサーのような存在。女性ファンが多かったのもうなずけます。

美人画にこのような要素を盛り込むことができたのは、吉原で女性たちの嗜好(しこう)を知り尽くした、蔦重ならではの知恵があったからこそのことだったのでしょう。

これが江戸の人気アイテム!
1)娘らしい高島田の髷(まげ)

2)華やかピンクの市松模様でたっぷりした大振袖(おおふりそで)

3)ビードロ細工の花扇の簪(かんざし)

4)舶来のガラス玩具「ポッピン」

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和樂web編集部


構成/山本 毅 ※本記事は雑誌『和樂(2025年2・3月号)』の転載です。 参考文献/『歴史人 別冊』2023年12月号増刊(ABCアーク)、『蔦屋重三郎と江戸文化を創った13人 歌麿にも写楽にも仕掛人がいた!』車浮代著(PHP研究所)、『これ1冊でわかる! 蔦屋重三郎と江戸文化』伊藤賀一著(Gakken)
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