大晦日の晩、厳(おごそ)かに響く除夜の鐘。近所のお寺から聞こえる家もあれば、「ゆく年くる年」でテレビから聞こえてくる家もあるでしょう。
ところで、除夜の鐘っていったい何回ついているんでしょう? けっこうな回数な気もしますが……。
どうやらその回数や、つく時間にも決まりがあって、それぞれに深い意味があるらしいのです。
あれ? そもそも「除夜の鐘」って何? 夜を除く、って?
そんな疑問を調べてみました!
108回つく、除夜の鐘
除夜の鐘をつく回数は、基本的に108回となっています(寺院によっては異なる場合もあり)。
これは人間の煩悩と同じ数(1年間を表すという説もあり)。
大晦日の23時ごろから鐘をつきはじめて107回までを大晦日の夜のうちにつき、深夜0時をまたいで新年になってから残りの1回をつく、ということが多いようです。
除夜の鐘って、そもそも何?
百八の鐘(ひゃくはちのかね)とも呼ばれる除夜の鐘。中国の宋時代からの慣習とされ、神社では同時刻に除夜祭(じょやさい)が行われています。
除夜とは大晦日の夜のこと。1年の終わりの夜、あるいは夜の間に年が変わって旧年と新年とで「夜を除(わ)ける」ことからの名前だといいます。
除夜の鐘は、煩悩を1年の終わりに消し、新たな年を迎えたい、という願いが込められた、祈りの音だったのですね。
主要参考文献
・『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館
・『日本国語大辞典』小学館
・『世界大百科事典』平凡社
・『国史大辞典』吉川弘文館
アイキャッチ画像:芝琳賢『東大寺縁起』ColBase(https://colbase.nich.go.jp/collection_items/narahaku/1172-0?locale=ja)より加工使用
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