毎年、年末近くになると、大慌てで年賀状を書きます。やっぱり元日に届けたいですからね。
でも、前年のうちに「明けましておめでとうございます」とか「旧年中はお世話になりました」とか書いていると、ちょっと不思議な感覚になったり。まだ、なんだけどなあ。
そんなわけで、「年賀状っていつごろから書かれていたの問題」について、調べてみました。
年賀状の歴史
現在ではだいたい12月25日までに投函すれば、元日に届けてくれますよね。
でも、郵便が発達していなかった時代には、どうしていたのでしょう?
お正月に挨拶する習慣は、平安時代からありました。
主君や師匠、親族、知人や近所の人たちのところに実際に出向き、挨拶をして回ったのです。今でも、伝統芸能関係者などが年始回りをしている映像がテレビで流れたりしますね。
年賀状は、遠方に住む人たちに年始挨拶の書状を送った習わしがもとになって、郵便が簡単に利用できるようになった明治時代以降に普及した習慣です。
もともとは1月2日の書初(かきぞめ)の日に書いて、松の内(1月7日まで)の間に出すものでした。
最近ではメールやSNSなどが普及して、デジタルで年賀の挨拶をすることも増えてきています。
「年賀」はもともと年始のことではなかった?
年賀状について調べていたら、ちょっと意外な豆知識を見つけました。
年賀という言葉は、もともとは長寿を祝うものだったそう。還暦(かんれき)や古稀(こき)など、この「年」まで長生きできておめでたい(「賀」)、という意味だったのですね。
主要参考文献:
・『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館
・『平成ニッポン生活便利帳』自由国民社
アイキャッチ画像:窪 俊満『書初め図』メトロポリタン美術館より
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