令和4(2022)年NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』予習シリーズ人物編! 今回は13人の1人、二階堂行政(にかいどう ゆきまさ)殿!!
ドラマでは第12回に出てきたが、まだ二階堂を名乗っていないため「藤原行政」と紹介されていたな。そう藤原。鎌倉幕府は下級役人の夢かなう(かもしれない)場所ではあったが、二階堂殿は正真正銘のエリート貴族なのだ!!
二階堂行政殿の実力
京では主計寮(しゅけいりょう)という、現在でいうところの国税庁で働いていて、上から三番目の地位である「允(じょう)」に任命されていた。
そんな二階堂殿がなぜ鎌倉に来たかというと……実は頼朝様の親戚! 二階堂殿の母は、頼朝様の母方の祖父の妹なのだ! 実力的にも、親戚関係でも鎌倉最強クラス!!
鎌倉幕府の主な役割の1つに「朝廷との交渉」があるんだけれど、二階堂殿はその経歴を生かして朝廷と交渉し、調整をガンガン進めた。
ちなみに、日記文化のない東国で、なぜ『吾妻鏡』のような歴史書を編纂できたかというと、多くの部分は二階堂家の日記から引用されているらしい。つまり……『吾妻鏡』の半分は二階堂家のやさしさでできている!!
二階堂の由来
そんな二階堂殿が「二階堂」を名乗ったのは、鎌倉での住所に由来する。御所の東に「永福寺(ようふくじ)」という鎌倉を代表する寺がある。その寺は当時とても珍しい2階建てだから「二階堂」と呼ばれていた。そんで二階堂殿の屋敷は永福寺の近くにあったから「二階堂氏」を名乗ったんだ。
永福寺が完成するのは建久3(1192)年の事だから、ドラマの時系列ではまだ二階堂殿は二階堂を名乗っていない。だから「藤原行政」。
ちなみに正しくは「工藤行政」なんだけど、伊豆の工藤氏とは違う流れなので、混乱を避けるために藤原表記なんだろうな。
二階堂行政役、野仲イサオ殿について
いぶし銀系バイプレーヤー!! うむ。きっと縁の下の力持ち系の二階堂のように、しっかりと脇を固めてくれるに違いないぞ! 「二階堂」と名乗り始める回にも注目だ!
関連人物
主君:源頼朝、源頼家、源実朝
父:工藤行遠 母:藤原季範の妹
子:行村、行光、伊賀朝光の妻
人物相関図:
『鎌倉殿の13人』予習にぴったり!源平合戦~鎌倉初期を相関図で解説!
「鎌倉殿の13人」13人って誰のこと? 人物一覧
「鎌倉殿」とは鎌倉幕府将軍のこと。「鎌倉殿の十三人」は、鎌倉幕府の二代将軍・源頼家を支えた十三人の御家人の物語です。和樂webによる各人物の解説記事はこちら!
1. 伊豆の若武者「北条義時」(小栗旬)
2. 義時の父「北条時政」(坂東彌十郎)
3. 御家人筆頭「梶原景時」(中村獅童)
4. 頼朝の側近「比企能員」(佐藤二朗)
5. 頼朝の従者「安達盛長」(野添義弘)
6. 鎌倉幕府 軍事長官「和田義盛」(横田栄司)
7. 鎌倉幕府 行政長官「大江広元」(栗原英雄)
8. 鎌倉幕府 司法長官「三善康信」(小林隆)
9. 三浦党の惣領「三浦義澄」(佐藤B作)
10. 朝廷・坂東の事情通「中原親能」(川島潤哉)
11. 頼朝の親戚「二階堂行政」(野仲イサオ)
12. 文武両道「足立遠元」(大野泰広)
13. 下野国の名門武士「八田知家」(市原隼人)