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江戸時代、砂糖は出島から全国へ。
だから長崎は今もスイーツの宝庫!
長崎から福岡県の小倉に通じる長崎街道は、出島にもたらされた砂糖を大阪や江戸に運んだことから〝シュガー・ロード〟と呼ばれ、街道には今も数多くの銘菓が伝えられています。長崎スイーツで最も有名なのが、ポルトガル発のカステラ。そのカステラをさらに、中国の縁起物と組み合わせた進化系スイーツ「桃カステラ」も長崎名物のひとつ。雛祭りの縁起菓子として広く愛されています。それに、ミルクセーキもまた長崎が発祥。長崎は歴史に裏打ちされた、魅惑的な甘いものにもあふれているのです!
長崎のお菓子といったらこれ!
「カステラ(&コーヒー)」自由亭喫茶室
西洋人の居留地であった長崎港を見渡す丘陵地は今、いくつもの洋館が残る「グラバー園」になっています。園内にある「自由亭喫茶室」は、もともと長崎市内にあった日本人シェフによる西洋料理店で、建物を移築復元。窓からの風景がいい、クラシカルな雰囲気の喫茶室でのおすすめは、コーヒー&カステラ。老舗「長崎堂」のカステラと香り豊かなコーヒーの組み合わせを楽しめるのは、こちらならでは!
店舗情報
自由亭喫茶室 じゆうていきっさしつ
住所:長崎県長崎市南山手町8-1 グラバー園内
電話:095-822-8223
営業時間:9時30分~17時15分(16時45分L.O.)
休み:なし
公式サイト:https://glover-garden.jp/activity-and-shop/tea-room/
長崎でお祝いといったらこのお菓子
「桃カステラ」万月堂鍛冶屋町店
3月3日の雛祭りが近付くと、長崎の菓子店には桃カステラが並びます。中国の縁起物の桃とカステラを組み合わせたスイーツは、長崎らしさ満点。女の子が生まれた内祝いにも用いられます。たくさんの店が桃カステラを手がけるなか、人気ナンバーワンが「万月堂」。大人の手ほどもある大きさで、アイシングで描かれた桃と練り切りの葉と茎はこっくり甘く、カステラは甘さ控えめでふわふわ。この組み合わせはクセになります!
店舗情報
万月堂鍛冶屋町店 まんげつどうかじやまちてん
住所:長崎県長崎市鍛冶屋町6-45
電話:095-893-8833
営業時間:10時~18時
休み:なし
公式サイト:https://mangetudou.business.site/
これも長崎で生まれました!
「ミルクセーキ」ツル茶ん
長崎が翼を広げた鶴の形といわれることから店名とした店は、大正14(1925)年の創業。九州最古の喫茶店とされます。現在の建物は30年前の建築ですが、1~2階の店内に飾られた写真や道具が往時をしのばせます。ここで約100年前に生まれたのが、当時のミルクセーキとかき氷を合体させたような「元祖長崎風ミルクセ-キ」。今も不動の人気メニューです。また、トルコライスもこちらが元祖。要チェックのレトロ喫茶です。
店舗情報
ツル茶ん つるちゃん
住所:長崎県長崎市油屋町2-47
電話:095-824-2679
営業時間:9時~21時(L.O.)
休み:なし(元日を除く)
撮影/佐藤敏和 ※本記事は雑誌『和樂(2023年8・9月号)』の転載です。