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2024.04.12

瀬戸内産の小鯛を一尾丸ごと。現存最古の専門店の技が冴える! 職人の技がさえわたる名店・3「すし萬」【あっぱれ! 大阪寿司!! part5】

関西でも圧倒的に江戸前寿司の店が多くなった昨今でも、長く続く大阪寿司の名店には唯一無二の看板商品があり、支持されている理由があります。味にうるさい大阪人が愛するのは、5軒の名店の大阪寿司です。今回は「総本家 小鯛雀鮨 すし萬(そうほんけ こだいすずめすし すしまん)」をご紹介します。

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瀬戸内産の小鯛を一尾丸ごと1本の寿司に使用
総本家 小鯛雀鮨 すし萬の「小鯛雀鮨」

「小鯛雀鮨」1本4,320円(税込)。一尾の片身がちょうど押し寿司の4切分。身と皮の見え方の比率にも独自のこだわりがある。製造時より約4時間後、白板昆布の旨みが寿司に移ったころが食べどき。

現存する大阪寿司専門店の最古として知られるこの店。承応2(1653)年に魚屋から始まり、〝雀寿司(すずめずし)〟の専門店となったのが天明元(1781)年のことです。それまで〝雀寿司〟といえばボラの子に寿司飯を詰めた大衆的な寿司だったところを、小鯛の片身を用いた高級寿司に一新。ここからよその店でも小鯛にならうのですが、創始の店として、ほかにはない「小鯛雀鮨」をつくることで今も最高峰に君臨しています。

小鯛でいえば「天然」「瀬戸内産」「一尾の重さが250gほど、年齢にして2歳」の3条件がそろうものに限定。「身が小さいほうが、皮がやわらかいんです。いちばんおいしいところは、皮と身の間。シコシコとした歯ごたえがたまりません。これを1本の雀鮨で一尾分食べられるのがうちの寿司です」と、この道57年になる総料理長・駒木司郎さん。
この店の「雀鮨」は身に厚みがあるのに、プリッとしていて食感も大きく違います。「酢で締めていないんですよ。塩だけです。小鯛の身の赤を色鮮やかに残すための工夫で、これは最初にこの寿司ができたときからの製法。それだけに、鮮度のいいものを選ぶんです」。なるほど、独自のおいしさの秘密はここに!

写真では小鯛の身の色を見せるために上にかかる白板昆布を外しましたが、実際は、上にかけられていた昆布と写真で下に見えている昆布とで寿司を包みます。甘酢に漬けた白板昆布の旨みが白身に移り、旨みが倍増。味のアクセントにもなっています。

店舗情報

総本家 小鯛雀鮨 すし萬(そうほんけ こだいすずめすし すしまん)
住所:大阪府大阪市西区靭本町2-3-7
電話:06-6448-6435
営業時間:10時~17時 
休み:日曜・祝日 
※関西・関東のホテルや百貨店にレストランや販売店あり。大阪市内と近郊エリアで宅配サービス(http://www.sushiman.co.jp/bentou)も開始。

撮影/石井宏明 構成/藤田 優
※本記事は雑誌『和樂(2021年12・1月号)』の転載です。

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和樂web編集部

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