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Culture
2021.05.02

梶原景時とは?人物解説!中村獅童演じる男は大悪人?それとも忠臣?【鎌倉殿の13人予習シリーズ】

この記事を書いた人

今回解説するのは……鎌倉時代は彼がいなけりゃ始まらない! 梶原景時(かじわら かげとき)殿!! ……亡くなったのはオレが元服する前だけど、オレの父上や兄上(三浦義村)はもっとよく知ってると思う。特に兄上は、梶原殿の背中を見て幕府内での立ち位置確立したようなもんだし……。

オレは梶原殿の孫である荻野景員(おぎの かげかず)・景継(かげつぐ)兄弟と同年代だし、仲良かったよ。最後まで一緒に戦ったんだ。

おっと、紹介が遅れたな。鎌倉御家人・三浦胤義(みうら たねよし)が語る、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』予習シリーズ! オレが何者かは第1回参照なッ!

梶原景時殿といえば……?

梶原景時殿、源平合戦を扱った作品には必ず出てくるけれど、大抵は源義経殿が主人公になっているから、「悪役」として描かれている事が多いんじゃないかなぁ。頼朝様におべっか使って、自分の地位を上げるために、他人(特に義経殿)を蹴落とそうとしている……そんなイメージを持っている人も多いと思う。

それが一番酷かったのは、江戸時代じゃないかなぁ。歌舞伎では義経殿が出てくると必ず悪役として登場する。当時の物語は勧善懲悪が人気だったから、梶原殿も江戸の庶民に「大悪人」と呼ばれてものすごく嫌われていたらしい。物語のイメージと史実が混同されて、梶原殿の墓が壊されたって話も聞く。

現代では、義経殿が昔ほど「判官びいき」される事もなくなって、梶原殿も戦前のように一方的に悪く言われなくなった。とはいえ、やっぱり義経殿が主人公の物語だと、悪者っぽく描かれることもある。

でもなぁ、頼朝様や鎌倉御家人目線で見ると、また違った一面も見えて来るんだ。

中間管理職はツライよ

源範頼(みなもと のりより)殿の記事でもチラっと話したけど、義経殿は御家人目線で見ると、すべて自分の手柄にしちゃうタイプなんだ。

梶原殿の讒言状(ざんげんじょう)と呼ばれる、「頼朝様にあてた義経殿の悪口満載の手紙」。実際読んでみると梶原殿が悪口言ったというよりも、義経殿の下で戦った武士たちの代弁にも読めるんだよな。

『吾妻鏡』元暦2(1185)年4月21日

義経殿は自分の戦略のおかげだと言って、自分ひとりの手柄だと思い込んでいます。実際は頼朝様の代理として、頼朝様が御家人をお貸しになり、大勢の武士の協力があったから義経殿は戦に勝てたのではないでしょうか。

あくまで義経殿は頼朝様の代理であり、武士たちは頼朝様をお慕いしているから義経殿に従っていたのです。それなのに平家を倒してからというもの、義経殿はえらそうにふんぞり返っていて、武士たちはみなビクビクしています。

私は頼朝様の側近として、頼朝様の目的を知る者として注意をしたのですが、聞く耳を持たず、それどころか刑に処されそうになりました。

義経殿はなんでも自分の思い通りにしようとするので、私だけでなく、武士たちはみな不満に思っています。

これをどう読むかは、人それぞれだろうけれど……。少なくともこの後、頼朝様と決裂してしまった義経殿に賛同したり、庇ったりする鎌倉御家人はいなかったよ。

え、じゃあ梶原景時って本当はどんな人なの?

と、聞かれると「うぅ~ん」となってしまう。まぁ端的に言うと「そこまでみんなから好かれるタイプでもない」というか……。

じゃあ人望が全くないかといえば、そんな事はない。ただ恨みを買う事も多かったのも事実だ。根は真面目な仕事人だとは思うんだけど、多分言動が誤解されやすかったんだと思う。

だからといって口下手かというとそんな事は全くなく、むしろ口が上手い方で。じゃあ頭でっかちなインテリかと思えば、フィジカルの強い武勇伝もある。知ろうとすればするほど全く分からない。ただ、頼朝様に対する忠誠心や幕府の為に働こうとする思いは本物だったんじゃないかなぁと思う。

梶原景時役、中村獅童殿について

これ、全員が三谷幸喜殿に「やられた!」って思ったんじゃないかな。全く予想してなかった方向だ。これまでの傾向からしててっきりベテラン名バイプレイヤーが来るとばかり……。

『13人』の一人。寝返り重臣筆頭となる謎の敵将

歌舞伎では『梶原平三誉石切(かじわら へいぞう ほまれの いしきり)』という演目や、その他さまざまな演目にもたびたび登場し私自身も演じたことがあります。その人柄は、大悪人といわれることも多い、悲劇の武将『梶原景時』。でも三谷さんのことだからただの悪人というわけではないはず……。

NHK_PRサイト 中村獅童のコメントより抜粋

ふむ。北条時政(ほうじょう ときまさ)と同じく、歌舞伎によって「悪人」と呼ばれた人物を、歌舞伎役者が演じることの意味を、ドラマでしっかり描いてくれることだろうなぁ。

アイキャッチ画像:『今昔児手柏 十四』いかみの権太・梶原景時(国会図書館デジタルコレクション

書いた人

承久の乱の時宮方で戦った鎌倉御家人・西面武士。妻は鎌倉一の美女。 いわゆる「歴史上人物なりきりbot」。 当事者目線の鎌倉初期をTwitterで語ったり、話題のゲームをしたり、マンガを読んだり、ご当地グルメに舌鼓を打ったり。 草葉の陰から現代文化を満喫中。