八雲(やくも・やぐも)神社や、樹なつみ先生の漫画『八雲立つ』(白泉社)、明治時代の作家・小泉八雲(こいずみ やくも)など、「八雲」という言葉を耳にしたことのある人は多いのではないでしょうか?
でも、考えてみたら雲が8つって、いったいどういう意味なのでしょうか? 出雲と深い繋がりがあるといいますが、どうして?
気になる「八雲」の豆知識あれこれをお届けします!
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八雲とは?
八雲とは、いく重にも重なった雲のこと。八重雲(やえぐも)ともいいますが、「八重」とは数多く重なっているものや、その状態を指します。八重桜や八重梅、八重椿など、花びらが重なるものにも「八重」という名前が見られますね。
意外! 八雲にはこんな意味もあった
八雲は、雲とはあまり関係ない意味も持っています。ご存知のかた以外、ぜひちょっと考えてみてください! 私はまったく想像もつきませんでした。
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答えは、「和歌や、和歌の道」。
その理由は、古事記に書かれた「夜久毛(ヤクモ)立つ 出雲八重垣 妻ごみに 八重垣作る 其の八重垣を」の歌が、31文字の和歌のはじめとされるから。
なんとも雅で神々しいですね!
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「八雲」がついた言葉
八雲を使った言い回しを、いくつかご紹介いたします!
「八雲立つ」「八雲さす」
和歌の枕詞(まくらことば)で、地名の「出雲」にかかります。
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「八雲琴(やくもごと)」
小型の琴の一種で、出雲大社の参拝に着想を得た中山通卿(琴主)と葛原勾当によって、文政3年(1820)に考案されたものです。「八雲立つ出雲」に因んで名付けられたといい、別名「出雲琴」とも呼ばれます。
「八雲沙汰(やくもざた)」
沙汰、なんて言葉がついているから、どんな恐ろしいことなのか、なんて思っていたら。
なんと、縁談のこと。
スサノオノミコトがクシイナダヒメと結婚し、新しい家を建てる際の歌「八雲立つ出雲八重垣」から来た表現なのだそう。
アイキャッチ画像:歌川国芳『風俗女水滸伝 壹百八人ノ内 天王定六』メトロポリタン美術館より
参考文献:
・『デジタル大辞泉』小学館
・『デジタル大辞泉プラス』小学館
・『日本人名大辞典』講談社
・『日本国語大辞典』小学館
・『小学館 全文全訳古語辞典』小学館