令和4(2022)年NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』予習シリーズ人物編! 今回は我らが治天の君、後鳥羽(ごとば)上皇!!
後鳥羽上皇の生涯については過去記事にもあるので、そちらを参照にしてくれ。
鎌倉時代の天皇・後鳥羽上皇の手相を占う。鑑定結果と生涯や時代背景も紹介
後鳥羽上皇が西面武士を作った理由
後鳥羽上皇は、自ら盗賊を撃退したり、全裸で馬に乗ったりと面白エピソードに事欠かないけれど……まぁここではあくまで「オレから見た後鳥羽上皇」について紹介しよう。
っていっても、ほんと雲の上の存在だし、現代みたいにテレビ中継とかないからさ……。オレ、晩年は後鳥羽上皇の私兵「西面武士(さいめんのぶし)」として働いていたけど、本人に直接会った事はない。運が良ければ、御簾の向こうからお声をかけて頂けるかもなって感じだ。
そうそう、西面武士。教科書じゃ未だに「鎌倉幕府を倒すために西面武士を設立」って書かれてるんだって? これなぁ、実はだいたい北条時政(ほうじょう ときまさ)のせいなんだよな。
なんとしても実朝(さねとも)様を3代将軍にしたい時政。そこに後鳥羽上皇が「実朝の後ろ盾になってやるから、鎌倉御家人を何人かうちの警備員としてこっちに寄越してくれない?」と持ち掛けたんだ。
天皇・上皇の直属警備員として宇多(うだ)天皇が作った「滝口武者(たきぐちの むしゃ)」、白河(しらかわ)上皇が作った「北面武士(ほくめんの ぶし)」がいたが、鎌倉時代ではほぼ形骸化していてな。実力の伴わない名誉職となっていたらしい。そこで後鳥羽上皇が「とにかく実力のある武士を警備員として雇いたい!」と、鎌倉御家人を欲したというわけだ。
だから、少なくとも西面武士を作った時点で「後鳥羽上皇が鎌倉幕府を倒す事を考えていた」ってのはちょっとオカシイんだ。だって幕府を潰したかったら、実朝様の後ろ盾になんかならなければいい。「実朝なんて認めないよ」と言うだけで鎌倉幕府の権力なんて無くなってしまうものだったんだから。
後鳥羽上皇はあくまで京の治安を考えて、鎌倉幕府と協力し、西面武士を設立したと考えるのが自然じゃなかろうか……。
後鳥羽上皇役、尾上松也殿について
ひぇええ! 歌舞伎役者がラスボス、後鳥羽上皇だと! 絶対迫力ある!! 御簾がビリビリ震えるほどの覇気が出そう! 今年こそ勝てるかもしんねぇ!! やったぜ! 尾上殿、よろしくお願いします! お願いします!
関連人物
父:高倉天皇 母:坊門殖子
同母兄弟:後高倉上皇
異母兄弟:安徳天皇、範子内親王、他
中宮:九条任子(九条兼実の娘)
女院:源在子、高倉茂子(高倉範茂の姉妹)、坊門信清(殖子の兄)の娘(源実朝の妻の姉妹)
後宮:亀菊、他
子:土御門天皇、順徳天皇、道助入道親王、他
人物相関図:
『鎌倉殿の13人』予習にぴったり!源平合戦~鎌倉初期を相関図で解説!
「鎌倉殿の13人」13人って誰のこと? 人物一覧
「鎌倉殿」とは鎌倉幕府将軍のこと。「鎌倉殿の十三人」は、鎌倉幕府の二代将軍・源頼家を支えた十三人の御家人の物語です。和樂webによる各人物の解説記事はこちら!
1. 伊豆の若武者「北条義時」(小栗旬)
2. 義時の父「北条時政」(坂東彌十郎)
3. 御家人筆頭「梶原景時」(中村獅童)
4. 頼朝の側近「比企能員」(佐藤二朗)
5. 頼朝の従者「安達盛長」(野添義弘)
6. 鎌倉幕府 軍事長官「和田義盛」(横田栄司)
7. 鎌倉幕府 行政長官「大江広元」(栗原英雄)
8. 鎌倉幕府 司法長官「三善康信」(小林隆)
9. 三浦党の惣領「三浦義澄」(佐藤B作)
10. 朝廷・坂東の事情通「中原親能」(川島潤哉)
11. 頼朝の親戚「二階堂行政」(野仲イサオ)
12. 文武両道「足立遠元」(大野泰広)
13. 下野国の名門武士「八田知家」(市原隼人)