令和4(2022)年NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』予習だったり復習だったりシリーズ、人物編! 今回は北条義時の妻たちを紹介しよう!
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最初の妻:阿波局
義時の最初の妻は、御所の女房(にょうぼう=朝廷や幕府で働く女性)「阿波局(あわの つぼね)」。義時の長男・泰時(やすとき)を産んだ女性だ。
ドラマでは八重さんだったが、実際はどこの誰だか全くわからない。「阿波局」というと、義時の姉妹(ドラマでは実衣)も「阿波局」と呼ばれているが、もちろん別人だ。
おそらく、義時の妹が女房になる前に阿波局と呼ばれた女性なのだとは思うが……。生没年も不明だから、2人目の妻をめとる時には亡くなったのか、離縁したのかはよくわからない。
泰時が生まれるのが寿永2(1183)年だから、その前には結婚していたのだろう。
2番目の妻:姫の前
次に妻となったのは、比企一族の娘、姫の前(ひめのまえ)だ。姫の前については和樂webの過去記事に詳細があるので、読んで欲しい。
北条義時の妻・姫の前って誰?ラブレターを1年間既読無視したバリキャリ女性の結婚とその後
ドラマでは「比奈(ひな)」という名前が付けられていたが……。なんだか、義時が姫の前を追いかけてるんじゃなくて、姫の前が義時を追いかけてる……だと? 義時のくせに生意気な! 実際は姫の前にデレデレだったこと、鎌倉中が知ってるからな!
義時と結婚したのは建久4(1193)年。朝時(ともとき)、重時(しげとき)という2人の男子と、竹殿(たけどの)という女子が生まれている。
比奈役、堀田真由殿について
可憐な美女がキター!! 守りたい!! 守らなきゃ! 義時のおっさんメールから! ……って思ったんだが、まさか関係性の矢印が逆になるとは……おのれ義時。
これから比奈殿がどうなるかは、さきほど紹介した通りだろうが……。この明るく健気な子が、どうこの試練に立ち向かうのか期待したい……。義時、ほんと守ってやってくれよ。
3番目の妻:伊佐朝政の娘
ドラマでは出てこないようだが……実は姫の前と結婚して離縁するまでに、もう1人妻がいるんだ。名前は伝わってはいないが、伊佐朝政(いさ ともまさ)の娘。伊佐氏は常陸国の豪族だ。
元々側室扱いだったためか、伊佐の娘との間に生まれた4男の有時(ありとき)は、この後生まれる弟たちよりも序列が下になっている。
4番目の妻:伊賀の方
義時の最後の妻になるのが、伊賀氏の娘「伊賀の方(いがのかた)」だ。ドラマでは「のえ」という名前が付けられている。
義時と結婚したのはいつかはハッキリとはわからんが、2人の間に生まれた最初の子・政村(まさむら)は、元久2(1205)年生まれだ。
政村の烏帽子親(えぼしおや=後見人)はオレの兄上(三浦義村)。生まれた日は畠山重忠(はたけやま しげただ)が死んだその日というエモを詰め込んだ子だ。
ちなみに、伊賀の方の兄弟である伊賀光季(いが みつすえ)はオレの友達でもある! ……うん、いい奴だったよ。
のえ役、菊地凛子殿について
実力派女優……! これは、義時だけでなく、小池栄子殿演じる尼御台(あまみだい=北条政子)との絡みもかなり期待できるぞ。
実は伊賀の方の真骨頂は義時の死後にあるのだが、なんというか尼御台とのママ友ボス対決みたいな事があったみたいでさ……。オレの兄上もめっちゃ巻き込まれたみたいでさ……。
まぁ、この話はオレの死後のことだし、これはこれでガッツリ記事になる話なので、今回は匂わせ程度で……。
他にもいるよ、義時の妻
他にも、生母が不明な義時の娘が何人かいる。これは義時が浮気性というより、当時は一夫多妻制だし妻も妾も何人もいるのは当たり前だったということだ。現代とは「結婚」の意味も違うし。
でもまぁ、現代のドラマではあまり複数のオナゴと同時に関係を持つ主人公って描きづらいのもわかる。前回の『青天を衝け』はよくやったと思うよ、ホント。
関連人物
姫の前(比奈)
父:比企朝宗
兄弟:異母弟(母:越後局/北条政子の女官)
夫:北条義時
子:朝時、重時、竹殿
伊賀の方(のえ)
父:伊賀朝光
兄弟: 光季、光宗、結城朝光の妻、他
夫:北条義時
子:政村、実泰、時尚、一条実雅の妻
「鎌倉殿の13人」13人って誰のこと? 人物一覧
「鎌倉殿」とは鎌倉幕府将軍のこと。「鎌倉殿の十三人」は、鎌倉幕府の二代将軍・源頼家を支えた十三人の御家人の物語です。和樂webによる各人物の解説記事はこちら!
1. 伊豆の若武者「北条義時」(小栗旬)
2. 義時の父「北条時政」(坂東彌十郎)
3. 御家人筆頭「梶原景時」(中村獅童)
4. 頼朝の側近「比企能員」(佐藤二朗)
5. 頼朝の従者「安達盛長」(野添義弘)
6. 鎌倉幕府 軍事長官「和田義盛」(横田栄司)
7. 鎌倉幕府 行政長官「大江広元」(栗原英雄)
8. 鎌倉幕府 司法長官「三善康信」(小林隆)
9. 三浦党の惣領「三浦義澄」(佐藤B作)
10. 朝廷・坂東の事情通「中原親能」(川島潤哉)
11. 頼朝の親戚「二階堂行政」(野仲イサオ)
12. 文武両道「足立遠元」(大野泰広)
13. 下野国の名門武士「八田知家」(市原隼人)
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