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2020.12.18

鎌倉御家人が語る『北条政子』の実像!?【鎌倉殿の13人予習シリーズ】

この記事を書いた人

和樂webをご覧の皆さま、お初にお目にかかる。え~……我をば誰かとご覧ずる! 相模国にありと言われし三浦党、三浦介義村が同母弟、三浦胤義とは我ぞかし! 普段はTwitterに拠点を置いている、「三浦胤義bot」。いわゆる、歴史上人物なりきりbotというやつだ。

いや、わかる。わかるぞ。9割9分ぐらいの読者が「なにこれ」と困惑しているのは。ちょっと説明させてくれ。

先日、令和4(2022)年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の公式Twitterアカウントがキャスト紹介をして、Twitter上で盛り上がっていたであろう? オレも例に漏れず騒いでいた。そして和樂webのスタッフが鎌倉時代の記事を書ける者を探していたところ、オレを見つけてくれたというわけだ。

オレは源平合戦が終わった頃に生まれて、承久の乱で死んだから、ドンピシャな時代なのだ。大河にも出てくるかもしれん。オレの生前については和樂webの過去記事にもあるから、そっちも参照してくれ。まるで見て来たように当時の事を語るが、「そういう設定なんだな」と思って生温かい目で見て欲しい。

本題に入ろう。大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。三谷幸喜殿は「あまり予習しないで~」と言っていたが、そう言われたら調べたくなるのが人の常。

だから今回発表された人物について、軽く紹介してみようという試みである。第1回は小池栄子殿が演じる「北条政子」について。

三浦胤義から見た北条政子

オレが元服して鎌倉幕府に出仕した頃には、既に頼朝様は亡くなっていて、御台所は出家して尼僧となっていた。だからオレは「尼御台(あまみだい)」と呼んでいる。

尼御台はよく「悪女」って言われてるだろ? 和樂webでもいくつか記事があるな。

北条政子の波乱万丈な生涯とは?夫の愛人の家を壊すなど、最強鬼嫁エピソードを紹介』とか、『「よしよし、お姉ちゃんが助けてあげるよ」妹から悪夢を買った、北条政子の腹黒〜い思惑』とか。

特に頼朝様の浮気相手の家をぶっ壊したエピソードは、『吾妻鏡』にバッチリ書かれているだけに、よく取りざたされるし、怖い鬼嫁のイメージが強いと思う。

まぁ、実際はというと……。

吾妻鏡における北条政子

まず、武家に生まれたオナゴは、武家の妻になるべく教育されるものだ。夫が戦に出て留守の間、家を仕切る事となる。万が一、夫が亡くなり、嫡男がまだ若かったとしたら、嫡男が家人たちに認められるまで自分が棟梁の役割を背負う事となるだろう。

そんな時に蝶よ花よと育てられた、気が優しくて大人しい性格のオナゴだったらどうだろうか。良からぬ事を考える分家に家が乗っ取られるかもしれない。あるいは嫡男が若いからと家人がここぞと反発するかもしれない。

まぁ、そういう事で、尼御台が特別と言うよりは、武家のオナゴとして生まれたなら多少は気が強くなくっちゃね……?

そして尼御台が亡くなった時、『吾妻鏡』にはこう書かれている。

前漢の呂后と同じように天下を治め、また神功皇后の生まれ変わりのように我が国の天皇家を護った。

すんごい持ち上げっぷりだろう? 吾妻鏡を編纂したのは北条だ。尼御台は北条からこのように持ち上げられる存在だった。むしろ北条氏にとって、尼御台は将軍の妻・将軍の母として素晴らしい存在でなくてはいけない。

もしかしたら「吾妻鏡における尼御台の行動・発言は、事実にしろ、盛っているにしろ、武家の母や妻たるものこうあるべしという当時の規範だった」のではないかなと。

……でもまぁ、それはそれとして、オレ個人としては、尼御台の性格は当時としてもやっぱりキツイ方だと思う。それが将軍の妻となったからなのか、元々の性格なのかは……。オレ自身が若い頃の尼御台を知らないからなぁ……と言葉を濁しておく。

北条政子役の小池栄子殿について

この配役は、鎌倉時代に詳しい者も、そうでない者も、「納得」の一言だったのではないかな。オレも小池栄子殿に名指しで『討ち取るべし』と言われるのならば、本望だ!!

……いや、オレは承久の乱の時に朝廷方で戦う事になるんだが、有名な尼御台の演説で、ハッキリとオレを討ち取れと命じてるんだよ。大抵「謀反の輩(やから)」とか言い換えられて端折られるんだけど。オレからしてみりゃぁ、源氏三代の遺跡を踏み荒らしてる謀反の輩はどっちだよって感じなんだけど……それはまぁ、今後詳しく語る機会もあろうから今は置いといて。

『義時の姉にして源頼朝の妻。女将軍として君臨』

「猛女」とよく例えられますが、そうではない、それだけではない魅力的な政子として視聴者の皆様の記憶に残れるよう気合を入れて頑張りたいですね!

NHK_PRサイト 小池栄子のコメントより抜粋

小池殿のコメントを読むに、従来の「気が強く、夫を尻に敷く」というイメージだけではない、尼御台の葛藤も描かれる、ということなのだろうか。小池殿自身にも「強い女」のイメージがあるが……そうではない小池殿の演技も見られるのであろうか。はてさて、どんな尼御台となるやら。2022年が実に楽しみである!

書いた人

承久の乱の時宮方で戦った鎌倉御家人・西面武士。妻は鎌倉一の美女。 いわゆる「歴史上人物なりきりbot」。 当事者目線の鎌倉初期をTwitterで語ったり、話題のゲームをしたり、マンガを読んだり、ご当地グルメに舌鼓を打ったり。 草葉の陰から現代文化を満喫中。