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2021.10.10

竹財輝之助演じる伊東祐清の生涯を解説!イケメンの上にめっちゃいい人【鎌倉殿の13人】

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令和4(2022)年NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』予習シリーズ! 今回は伊東祐親(いとう すけちか)の息子、伊東祐清(いとう すけきよ)殿! 白い仮面はつけてない!

伊東祐親はオレの母方の祖父にあたる。だから、祐清殿はオレの母方の伯父にあたる人物だな。つまり、『鎌倉殿の13人』の主役、北条義時(ほうじょう よしとき)の母方の伯父でもある。オレの事は第一回参照な!

伊東祐清殿の性格

伯父とはいっても直接会ったことはないんだ。だけど母上からは責任感が強くて優しい人だったと聞いているよ。

頼朝様が八重(やえ)姫の件で伊東祐親祖父上から命を狙われた時、頼朝様を助けて、義時の父である北条時政(ほうじょう ときまさ)の元へ逃がしたのが祐清殿だと聞いている。

時政は祐清殿の義理の兄弟というだけでなく、烏帽子親(えぼしおや)だという。烏帽子親は、元服の時に烏帽子を被せる人物で、被せてもらった方は烏帽子子(えぼしご)という。烏帽子親は烏帽子子の後ろ盾となるんだ。

さらに祐清殿の妻は、頼朝様の乳母である比企尼(ひきのあま)の娘でもある。

でも治承4(1180)年8月に、頼朝様が打倒平家を掲げて挙兵した時は、平家の家人である伊東氏の一員として、頼朝様と敵対する事になってしまった。

伊東祐清殿のミステリー

さて、平家方として戦った祐清殿。最後がどうなったかは、なんとなく想像つくと思う。頼朝様が鎌倉に都市を作って勢力を強めていくと、坂東における平家の家人と源氏の家人の力関係が逆転していった。

そして治承4(1180)年11月。富士川でみごと平家軍を打ち破った鎌倉軍は、坂東にいる平家の家人たちを捕らえる。その中の1人が祐清殿だった。

伊東氏は鎌倉御家人に姻戚関係者が多い。さきほど紹介したように、祐清殿はオレの父上(三浦義澄)や北条時政の義理の兄弟だった。だからすぐには処刑されずに、囚人となった。だいたいの場合、身柄を預かる者は囚人の縁者で、囚人が助命されるように働きかけるものでもある。

伊東祐清殿の親孝行

伊東祐親祖父上を預かったのはオレの父上でさ、養和2(1182)年になって祖父上は助命された。ところが祖父上は平家の家人のケジメとして自害してしまったんだ。

『吾妻鏡』によると、その後頼朝様は、祐清殿はせめて助命したいと考えてた。けれど祐清殿は「いっそ死刑にしてくれ」と言って聞かず、やむなく処刑したんだ。

だけどさ……。

あ、あれ? 生きてるの?

この記述は同じく『吾妻鏡』から。建久4(1193)年6月1日の記事に、過去を振り返る形で、祐清殿の事が書かれている。

それによると、養和3(1183)年にあった木曽義仲(きそ よしなか)殿と平家との戦いである「篠原の戦い」で、平家の家人として戦って討死したとあるんだ。

『吾妻鏡』くん、お前さ~、そういうとこ!! せめて自分に書いてある事ぐらい整合性取ってくれよ! ホント、そういうとこだよ!!

伊東祐清役、竹財輝之助殿について

やっさしそ~~~な、イケメン来た!! 妹がガッキーで兄が竹財殿って! 並んで映ったとたん、顔面偏差値でお茶の間のTVの液晶が破壊されてしまうのではないだろうか……。

実は伊東の家は「美男美女揃い」と言われるほどの、史実イケメン&史実美女の家系なんだ。なんかもう、配役には納得感しかない……。

家族思いの優しき八重の兄

武将としては心優しく、家族思いの人物で、妹の八重のことをとても大切にしている、いいお兄ちゃんの印象があります。

KNK_PRサイト 竹財輝之助のコメントより抜粋

『鎌倉殿の13人』での祐清殿の最期は、どちらの記述を採用するのだろうか。どちらにせよ祐清ロスに注意だな!

関連人物

父:伊東祐親
兄弟:河津祐泰、北条時政の前妻、工藤茂光三浦義澄の妻、万劫御前(工藤祐経、土肥遠平の妻)、八重姫、ほか
妻:比企尼の娘

人物相関図:
『鎌倉殿の13人』予習にぴったり!源平合戦~鎌倉初期を相関図で解説!

「鎌倉殿の13人」13人って誰のこと? 人物一覧

「鎌倉殿」とは鎌倉幕府将軍のこと。「鎌倉殿の十三人」は、鎌倉幕府の二代将軍・源頼家を支えた十三人の御家人の物語です。和樂webによる各人物の解説記事はこちら!

1. 伊豆の若武者「北条義時」(小栗旬)
2. 義時の父「北条時政」(坂東彌十郎)
3. 御家人筆頭「梶原景時」(中村獅童)
4. 頼朝の側近「比企能員」(佐藤二朗)
5. 頼朝の従者「安達盛長」(野添義弘)
6. 鎌倉幕府 軍事長官「和田義盛」(横田栄司)
7. 鎌倉幕府 行政長官「大江広元」(栗原英雄)
8. 鎌倉幕府 司法長官「三善康信」(小林隆)
9. 三浦党の惣領「三浦義澄」(佐藤B作)
10. 朝廷・坂東の事情通「中原親能」(川島潤哉)
11. 頼朝の親戚「二階堂行政」(野仲イサオ)
12. 文武両道「足立遠元」(大野泰広)
13. 下野国の名門武士「八田知家」(市原隼人)

アイキャッチ画像:菊池容斎『前賢故実 巻第7 伊藤祐親』(国立国会図書館デジタルコレクション

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