Culture

2025.04.15

江戸時代のX(旧Twitter)? 蔦重もバズらせた“超速報メディア”があった! 大河ドラマ「べらぼう」を100倍楽しむAtoZ【X】

吉原に生まれ、自力で江戸の〝メディア王〟となった男・蔦屋重三郎(つたやじゅうざぶろう)の仕事からプライベートまでを、AからZで始まる26の項目で解説するシリーズ【大河ドラマ「べらぼう」を100倍楽しむAtoZ】。今回は「Ⅹ=X〈旧ツイッター〉の江戸版」をご紹介します! Zまで毎日更新中! 明日もお楽しみに。

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蔦重AtoZ
Ⅹ=「X(旧ツイッター)」の江戸時代版!


現在、情報の速度において、テレビ・ラジオや新聞を凌駕(りょうが)しているのがインターネット。ことに「X(旧ツイッター)」のスピード感はすさまじいものがあります。

江戸時代に目を向けると、最も素早いメディアが「瓦版(かわらばん)」。木版の一枚摺りを主とした新聞のような内容で、一夜のうちに摺り上げ、街頭で「辻(つじ)売り」をしていました。この瓦版こそ江戸時代の「X」的存在で、そのスピードを自らの出版物に生かしていたのが、だれあろう蔦重でした。

こんなユニークな絵本を即制作!

特に、世相を斬(き)内容の黄表紙などは最速で出版。読者のニーズにこたえて、庶民の心をがっちりとつかんでいたのです。

『箱入娘面屋人魚(はこいりむすめめんやにんぎょう)』3巻 作/山東京伝 画/歌川豊国 黄表紙 寛政3(1791)年 国立国会図書館デジタルコレクション

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浦島太郎の子どもが人面魚遊女に!『箱入娘面屋人魚』のストーリーが斜め上すぎる

これが時代劇でおなじみのリアル「瓦版」

『江戸浅草 御蔵前女仇討(えどあさくさ おくらのまえのおんなのあだうち)』 かわら版 江戸時代 東京⼤学⼤学院情報学環附属社会情報研究資料センター/情報学環・学際情報学府図書室所蔵

江戸にはすでに、事件事故を速報するかわら版がありました。蔦重はその速報性を黄表紙などに取り入れて、大ヒットを次々に記録したのです。

もしも蔦重が現代に生きていたとしたら、「X」にどんな内容の投稿をしていたのか、気になります。

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和樂web編集部


構成/山本 毅 ※本記事は雑誌『和樂(2025年2・3月号)』の転載です。 参考文献/『歴史人 別冊』2023年12月号増刊(ABCアーク)、『蔦屋重三郎と江戸文化を創った13人 歌麿にも写楽にも仕掛人がいた!』車浮代著(PHP研究所)、『これ1冊でわかる! 蔦屋重三郎と江戸文化』伊藤賀一著(Gakken)
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