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Jewelry&Watch

2025.05.23

ディオール「ディオレクスキ」誕生。南仏で花開くハイジュエリーの世界

南フランスに佇むラ コル ノワール城で、ディオール(Dior)の新作ハイジュエリー コレクション「ディオレクスキ(DIOREXQUIS)」の発表会が開催されました。この特別な夜には、ディオール ファイン ジュエリー&タイムピーシズ ジャパン アンバサダーの中谷美紀さんと、オペラ歌手のプリティ・イェンデさんらが出席。新たなコレクションを祝う華やかな時間が繰り広げられました。

ムッシュが愛した自然と芸術への賛美

©Pierre Mouton

クリスチャン・ディオールの遺産と情熱は、尽きることのないインスピレーションの源として、毎シーズン、メゾンのジュエリーコレクションの中心で輝き続けています。1999年以来、ディオール ファイン ジュエリーのクリエイティブ ディレクターであるヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌは、その豊かで魅惑的なオデッセイをクリエイションを通じて現実のものとしてきました。

そして今年、その哲学は、ディオールのアイデンティティを象徴する3つのテーマ、「魅惑的な風景」「繊細な花束」「華麗な舞踊会」を軸に、新たなジュエリーコレクションとして花開きました。この3つのテーマは、ムッシュ ディオールが愛した美しい植物の世界と華麗な祝祭を表現したもの。ヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌの創造性とメゾンの卓越した技術によって、まるで幻想と現実が交錯する一瞬を捉えたかのようなマスターピースへと昇華されています。

魅惑的な風景


ムッシュ ディオールがこよなく愛した邸宅、ラ コル ノワール城やミリー ラ フォレの庭園。そこに広がる壮麗な自然の情景から着想を得たのが、この「魅惑的な風景」です。テーマ名の「風景」は、原文では“Garden”と表現され、ヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌのクリエイションにたびたび登場する象徴的なキーワードのひとつ。邸宅や庭園という親密な空間に宿る自然美を、ディオールならではの詩情で昇華しています。

繊細な花束


ムッシュ ディオールがこよなく愛し、生涯を通じて情熱を注いだ自然、そして花々。その想いにインスピレーションを得て生まれた「繊細な花束」というテーマ。咲き誇る花々の優美さをたたえるように、ジュエリーのひとつひとつに繊細なニュアンスが込められています。自然への深い敬意と美へのまなざしが、ディオールならではの洗練をもって表現されています。

華麗な舞踊会

左/©︎FIONA TORRE

ムッシュ ディオールが生涯を通じて情熱を注ぎ、インスピレーションの源とし続けた「舞踏会」。その華やかな世界観に着想を得て誕生したのが、「華麗な舞踊会」です。
ムッシュは、自らの回想の中でこう記しています。
“舞踏会は本物のアート作品そのものである。人々はあまりのスケールの壮大さに苛立ちを覚えるかもしれないが、まさに本当の快楽と感覚をよみがえらせてくれるかのような、魅力的でかつ重要なものである。” 
華やかな社交界の記憶を、現代のジュエリーに表現しました。

「ディオレクスキ」コレクションのデザインは、ジェムストーンのレイヤーとボリューム感が大胆に際立ち、それぞれのピースが自然の移ろいや季節の変化を物語ります。例えば、凛とした冬は氷のような輝きで、春の息吹はアンサンブルを彩る咲き誇る花々で、光に満ちた夏の歓びはきらびやかな輝きを放つジェムストーンで表現され、自然の息吹がジュエリーに刻まれました。

卓越した技術が生み出す幻想美

コレクションは、「オパール ダブレット技法」や「プリカジュール エナメル技法」に代表される、メゾンの誇る卓越した職人技により命を吹き込まれています。これにより、宝石たちはまるで生きているかのような輝きを放ち、その複雑な色合いや質感をいっそう際立たせます。

オパール ダブレット技法

オパールの層をオニキスやマザーオブパールと重ね合わせ、まるで空や海を思わせる複雑なニュアンスの単色を生み出す技法です。単色でありながら角度によって異なる表情を見せるジュエリーは、一瞬の魔法を閉じ込めたかのような魅力に満ちています。

プリカジュール エナメル技法

下地を用いず枠だけでエナメルを固定し、まるでステンドグラスのような美しい透け感を生み出す技法です。精緻な職人技の結晶といえるこの技法は、光を通すと無数の煌めきが浮かび上がるのが特徴。繊細に煌めく色彩が生み出す透明感と立体感は、他に類を見ない美しさ。まるで水面に反射する光のように、複雑でありながら軽やかな印象を与えます。

オパールとダイヤモンドを包み込むように施されたプリカジュール エナメル。その透明感と煌めきで作品に生命感を吹き込む。

華やかな夜を彩ったスターたち

発表会では、中谷美紀さんとプリティ・イェンデさんがそれぞれ異なるスタイルで登場しました。中谷さんは、ホワイトシルクリボンがアクセントのブラックシルクドレスに、「ディオラマ&ディオリガミ」のイエローゴールド、ダイヤモンド、ホワイトパールをあしらったネックレス、イヤリング、リングを合わせ、その気品あふれる美しさで会場の視線を集めました。

©Pierre Mouton

一方、プリティ・イェンデさんは、深い緑のヴェルヴェットロングドレスで登場。「レ ジャルダン ドゥ ラ クチュール」コレクションのホワイトゴールドとダイヤモンドのネックレス、イヤリングを合わせ、その圧倒的な歌唱と存在感で会場を魅了しました。

©Pierre Mouton

マリア・グラツィア・キウリが手がけたオートクチュールドレスと精緻なハイジュエリーが饗宴した華やかなショー。そのフィナーレを飾ったのは、夜空に咲く壮麗な花火という圧巻のひととき。極限まで発揮されたディオールのサヴォワールフェールが、ゲストたちの心に鮮やかな記憶を残しました。

タイトル画像/ ©Adrien Dirand 

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石川ともみ

神奈川生まれ、東京育ち。スタイリストを経て、編集者・ウェブディレクターへ。大きい建物と小さいもの、アート、旅が好き。
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