通常は公開していない宝物を鑑賞できたり、立ち入り禁止エリアを散策できたり。古都を旅するのに最も魅力的なのが、寺院や城郭などの特別公開です。京都、金沢、奈良の特別公開情報を、一気に見られる一覧でお届けします。桜を楽しめる春旅や最大10連休のGWの予定にぜひ!
春旅、GWにおすすめ! 京都・奈良・金沢の特別公開
【目次】
京都編
◆東福寺(とうふくじ)
期間/3月14日〜16日
詳細/八相涅槃図、本堂
釈迦が入滅した2月15日にちなんで全国で行われる涅槃会。東福寺では通常非公開の「八相涅槃図」を本堂で開帳。本堂の天井には日本画家の堂本印象による雲龍図も。
住所/京都府京都市東山区本町15-778
TEL/075・561・0087
拝観時間/9時~15時30分(最終日は15時まで)
料金/無料
◆大徳寺興臨院(だいとくじこうりんいん)
期間/3月16日
詳細/特別公開
大永年間(1521~1528年)に、能登の守護大名・畠山氏が創建。近代の方丈建築より屋根が低く優美な本堂や、“昭和の小堀遠州”といわれた作庭家・中根金作が復元した方丈庭園などを公開。
住所/京都府京都市北区紫野大徳寺町80
問い合わせ/京都春秋
拝観時間/10:00~16:30
料金/600円
◆大徳寺黄梅院(だいとくじおうばいいん)
期間/3月23日
詳細/特別公開
通常非公開の、織田信長や豊臣秀吉ゆかりの寺。苔が美しい千利休作の「直中庭」や方丈庭園「破頭庭」、毛利家御用絵師の雲谷等顔による襖絵、武野紹鷗好みの茶室など、見どころが多い。
住所/京都府京都市北区紫野大徳寺町83-1
問い合わせ/京都春秋
拝観時間/10:00~16:00
料金/800円
◆仁和寺(にんなじ)
期間/4月26日〜5月6日
詳細/金堂(国宝)、本尊阿弥三尊像、金堂内陣壁画、経蔵(重文)など
仁和2(886)年に光孝天皇が発願し、宇多天皇の創建となった寺院。荘厳な仁王門にはじまり、宸殿や書院などの御殿、五重塔、金堂などの建築群はどれも秀逸。桜の名所としても知られる。
住所/京都府京都市左京区御室大内3-3
問い合わせ/京都古文化保存協会事務局
拝観時間/9:00~16:00
料金/800円
◆宝鏡寺(ほうきょうじ)
期間/4月26日〜5月6日
詳細/本堂、日野富子御木像、歴代皇女ゆかりの寺宝など
人形の寺としても知られる。光厳天皇の皇女、華林宮恵厳開山の門跡寺院。天明8(1788)年の大火より復興、現在は京都市指定有形文化財に。本堂や書院の襖絵も必見。
住所/京都府京都市上京区堀川東入ル百々町547
問い合わせ/京都古文化保存協会事務局
拝観時間/9:00~16:00
料金/800円
◆聖護院(しょうごいん)
期間/4月26日〜5月6日
詳細/本尊不動明王(重要文化財)、宸殿(狩野派障壁画)、書院ほか
名を馳せた修験僧が、寛治4(1090)年の白河上皇の熊野御幸を先達した功績から賜ったのがはじまりの寺院。宸殿を飾るのは、狩野派による130面にも及ぶ障壁画。
住所/京都府京都市左京区聖護院中町15
問い合わせ/京都古文化保存協会事務局
拝観時間/9:00~16:00
料金/800円
◆積善院(せきぜんいん)
期間/4月26日〜5月6日
詳細/凖提観音菩薩像、不動明王像(重要文化財)、弁財天女尊立像、ほか
1200年ごろに創建された聖護院塔頭。明治のはじめに江戸時代建立の凖提堂と合祀。本堂に安置された不動明王像や光格天皇勅願による凖提観音菩薩などを公開。
住所/京都府京都市左京区聖護院中町14
問い合わせ/京都古文化保存協会事務局
拝観時間/9:00~16:00
料金/800円
◆勧修寺(かじゅうじ)
期間/4月26日〜5月6日
詳細/書院(重文)、土佐光起「近江八景図」、土佐光成「龍田川紅葉園」、庭園、ほか
昌泰3(900)年ごろ、醍醐天皇が生母追善のため創建。戦火で焼失したが、徳川家と皇室の援助で復興。宸殿と書院は明正天皇の御殿を移築したもの。春は、桜をはじめ藤や花菖蒲なども見事。
住所/京都府京都市山科区勧修寺仁王堂町27-6
問い合わせ/京都古文化保存協会事務局
拝観時間/9:00~16:00
料金/800円
◆東寺(とうじ)
期間/4月26日〜5月6日
詳細/五重塔初層内陣(国宝)
弘法大師空海が真言密教の根本道場とした東寺。教えを広めるために手がけたことのひとつが五重塔の建立。極彩色に彩られた初層内陣(内部)で、尊像を配した密教空間が体感できる。
住所/京都府京都市南区九条町1
問い合わせ/京都古文化保存協会事務局
拝観時間/9:00~16:30
料金/800円
◆安祥寺(あんしょうじ)
期間/4月26日〜5月6日
詳細/本尊十一面観音立像(重要文化財)、ほか
空海や最澄らと“入唐八家”と呼ばれる恵運が開山。鐘楼、本堂、観音堂などを構える境内の脇を琵琶湖疏水が流れ桜も美しい。奈良時代の一木彫刻である十一面観音立像を初公開。
住所/京都府京都市山科区御陵平林町22
問い合わせ/京都古文化保存協会事務局
拝観時間/9:00~16:00
料金/800円
◆長楽寺(ちょうらくじ)
期間/5月1日〜5月10日
詳細/准胝観音像 ※5月11日から6月16日は予約制で公開
805年に桓武天皇の勅令で創建。“洛中随一の霊地”として文人墨客が親しんだ。本尊の准胝観音像は、安置されている厨子が、天皇即位時にのみ開扉される秘仏。
住所/京都府京都市東山区円山町626
問い合わせ/京都古文化保存協会事務局
拝観時間/9:00~16:00
料金/800円
◆浄瑠璃寺(じょうるりじ)
期間/3月21日〜5月20日
詳細/吉祥天立像
平安期の九体阿弥陀仏(国宝)を本尊とする浄瑠璃寺。この本尊とともに本堂(国宝)に祀られている吉祥天立像を公開。安置されている厨子の内側に描かれた彩色絵も見どころ。
住所/京都府木津川市加茂町西小札場40
TEL/0774・76・2390
拝観時間/9:00~16:30
料金/400円
奈良編
◆薬師寺(やくしじ)
期間/3月1日〜6月30日
詳細/西塔初層内陣、釈迦八相像 ※3月1日〜10日は東塔にて新旧の水煙特別公開もあり
平城京遷都に伴い、飛鳥の地から現在の西ノ京へ遷った薬師寺。国宝の東塔と再建が叶った西塔、二基が並ぶ様は伽藍群のなかでも美麗。釈迦の悟り後を表したブロンズ像、釈迦八相像を公開。
住所/奈良県奈良市西ノ京町457
TEL/0742・33・6001
拝観時間/8:30~16:30
料金/500円(別途拝観料1,100円)
◆長谷寺(はせでら)
期間/3月1日〜6月30日
詳細/本尊大観音尊像(重要文化財)
朱鳥元(686)年創建。風雅な燈籠をつるした登廊を経て、小初瀬山中腹の断崖絶壁に立つ舞台造の本堂(国宝)へ。特別拝観では像高約10mの本尊の足に触れてお参りが可能。
住所/奈良県桜井市初瀬731-1
TEL/0744・47・7001
拝観時間/9:30~16:00
料金/1,000円(別途入山料500円)
◆大安寺(だいあんじ)
期間/3月1日〜3月31日
詳細/馬頭観音菩薩立像
聖徳太子によって建立された道場を発端とする寺。飛鳥時代は朝廷の保護を受けた南都七大寺のひとつに数えられた。公開される馬頭観音菩薩立像は、災厄を除くといわれる天平時代の秘仏。
住所/奈良県奈良市大安寺2-18-1
TEL/0742・61・6312
拝観時間/9:00~16:00
料金/500円
◆室生寺(むろうじ)
期間/3月9日〜5月12日
詳細/釈迦如来立像、十一面観音菩薩立像(ともに国宝)
女人高野とも呼ばれ、古来より聖域とされてきた山岳古刹。金堂に安置された平安時代前期の美仏、数多の識者を魅了した十一面観音菩薩立像や本尊の釈迦如来立像を、間近に拝見できる。
住所/奈良県宇陀市室生78
TEL/0745・93・2003
拝観時間/9:00~15:00
料金/記念品付き400円(別途入山料600円)
◆法華寺(ほっけじ)
期間/3月20日〜4月7日
詳細/十一面観音立像(国宝)
天平時代の創建で総国分尼寺として続く寺。絶世の美女と称賛される国宝の十一面観音立像は、菩薩のように慈悲深い光明皇后の姿を表しているとも。国宝の維摩居士坐像は通年拝観可能。
住所/奈良県奈良市法華寺町882
TEL/0742・33・2261
拝観時間/9:00~17:00
料金/1,000円
◆海龍王寺(かいりゅうおうじ)
期間/3月23日〜4月7日、5月1日〜9日
詳細/十一面観音菩薩立像(重要文化財)
光明皇后ゆかりの寺院。創建当時からの西金堂(重文)や五重小塔(国宝)が伝わる。皇后自ら刻んだ像をもとにつくられた金泥の十一面観音菩薩立像(本尊)は、鎌倉時代の慶派の仏師による。
住所/奈良県奈良市法華寺北町897
TEL/0742・33・5765
拝観時間/9:00~17:00(5月9日は午前のみ)
料金/600円
◆櫻本坊(さくらもとぼう)
期間/4月6日〜17日
詳細/釈迦如来坐像(重要文化財)
天智10(671)年、天武天皇により創建された勅願寺。神仏習合の修験道場で、山伏文化を伝える数々の寺宝を所蔵。特別開帳される飛鳥白鳳時代の釈迦如来坐像は、天武天皇の念持仏。
住所/奈良県吉野郡吉野町吉野山1269
TEL/0746・32・5011
拝観時間/8:30~17:00
料金/800円
◆法隆寺(ほうりゅうじ)
期間/4月11日〜5月18日
詳細/救世観音(国宝)
古代寺院の姿を今に伝える7世紀創建の寺院。大伽藍群のなかでも静かな東院にある夢殿には、聖徳太子の等身大像といわれる飛鳥仏の救世観音が。奈良時代からの秘仏。
住所/奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺山内1-1
TEL/0745・75・2555
拝観時間/8:00~17:00
料金/1,500円
◆當麻寺奥院(たいまでらおくのいん)
期間/4月13日〜5月6日
詳細/御影堂特別拝観
京都知恩院の奥院として開かれ、南北朝動乱中に當麻寺奥院として宝物が遷された。御影堂と呼ばれる本堂は桃山時代の建築で、期間中は通常非公開の法然上人坐像などが拝観できる。
住所/奈良県葛城市當麻1263
TEL/0745・48・2008
拝観時間/9:00〜16:30
料金/500円
◆當麻寺中之坊(たいまでらなかのぼう)
期間/4月13日〜5月6日
詳細/霊宝館春季特別展
白鳳・天平時代の大伽藍を擁する當麻寺。中将姫の守り本尊を祀る中之坊は最古の塔頭。特別展では曼荼羅の写本や中将姫に関する宝物が。庭園や書院などは通年公開。
住所/奈良県葛城市當麻1263
TEL/074・548・2001
拝観時間/9:00~17:00
料金/500円
◆興福寺(こうふくじ)
期間/4月20日〜5月6日
詳細/北円堂特別公開
2018年、中金堂が落慶し、天平時代の姿に復興された興福寺。現存最古の建造物北円堂の特別公開では、本尊弥勒如来坐像と、仏師運慶の最高傑作とされる無著・世親菩薩立像の拝観が。
住所/奈良県奈良市登大路町48
TEL/0742・22・7755
拝観時間/9:00~17:00
料金/300円
金沢編
◆金沢城(かなざわじょう)
期間/3月2日〜3月31日
詳細/三十間長屋(重要文化財)特別公開 ※土曜・日曜・祝日限定公開
天正11(1583)年に前田利家が入城し、本格的に築城がはじまった金沢城。何度も火災にあったなか、特別公開される三
十間長屋は藩政時代の遺構を残す。
住所/石川県金沢市丸の内1-1
TEL/076・234・3800(管理事務所)
拝観時間/9:30~15:30
料金/無料
◆成巽閣(せいそんかく)
期間/4月1日〜11月30日
詳細/茶室、庭園、書院の特別公開(要予約)
文久3(1863)年に13代加賀藩主の前田斎泰が母の隠居所として建てた屋敷。雅な歴史的建造物として一部が公開されている。通常非公開の茶室や庭園なども、冬季以外は要予約で見学可能。
住所/石川県金沢市兼六町1-2
TEL/076・221・0580
拝観時間/9時:00~17:00
料金/400円(入館料別途)
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